1999 Fiscal Year Annual Research Report
電磁界数値解析による高齢者用医療機器システムの最適設計および実用化に関する研究
Project/Area Number |
11750240
|
Research Institution | Waseda University |
Principal Investigator |
若尾 真治 早稲田大学, 理工学部, 助教授 (70257210)
|
Keywords | 磁気刺激 / 渦電流 / 電磁界数値解析 / 最適設計 |
Research Abstract |
近年、社会の高齢化に伴い尿失禁治療法の確立が急がれており、肉体的な痛みが殆ど無く医療機器と非接触で治療を受けることができる磁気刺激療法が脚光を浴びている。本研究課題では、限られた電源容量下で最大の治療効果をもたらす生体内渦電流分布の形成を目標として、計算機を用いた電磁界数値解析に基づく磁気刺激尿失禁医療装置の最適設計を行い、その実用化を試みる。本年度はまず(1)変動磁場発生コイルの断面形状・湾曲構造の最適化に関して3次元電磁界数値解析に基づき検討を行い、通常用いられている平形コイル構造に対して適切な鞍型湾曲構造を提案し、同一電源条件下においても、提案構造の採用により刺激を与える所望の部位において発生する渦電流密度のピーク値が効果的に増加することを明らかにした。次に(2)複数の独立コイルによる磁気刺激システムの構築・最適化に関して検討を行い、一つの主コイルと二つの副コイルからなる磁気刺激システムを提案した。その結果、(1)で示した空心の鞍型湾曲構造の単一コイルと比較して、同一電源条件下、同じパルス周波数でコイルを適切に3分割した場合、所望の部位において発生する渦電流密度のピーク値がさらに18%弱増加することを明らかにした。(1)(2)いずれの場合も、電磁界の3次元解析を行う際に、サイリスタ、充電用コンデンサ、昇圧トランスなどが組み合わさった複雑な外部回路の考慮方法も検討し、その動作を適切に模擬している。また、電源として外部回路内に蓄電池を導入した場合も視野に入れ、その充放電特性や残存容量推定に関する検討も行った。次年度はさらに、変動磁場発生コイルへの磁性材料の挿入等の検討を行い、形成可能な生体内渦電流分布の自由度を一層増加させ、一定の電源容量の条件下で生体内刺激部位に発生する渦電流を最大化する複数コイル磁気刺激システムの構築を目指す。以上,本年度は予定通りに研究が進行した。
|
Research Products
(3 results)
-
[Publications] S.Wakao: "Design optimization of axially laminated rotors for synchronous reluctance motors"Journal of Applied Physics. 87・8(掲載決定). (2000)
-
[Publications] K.Tatematsu: "Sensorless permanent magnet synchronous motor drive with reduced order observer"IEEE Industrial Application Society Magazine. 6・4(掲載決定). (2000)
-
[Publications] 小貫 天: "光ファイバ終端機器用太陽光自立電源システムの開発"電気学会論文誌D. 120・5(掲載決定). (2000)