2000 Fiscal Year Annual Research Report
高密度記録用ジルコニア分離CoPtグラニュラー薄膜
Project/Area Number |
11750252
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Research Institution | Saitama University |
Principal Investigator |
柿崎 浩一 埼玉大学, 工学部, 助手 (70261881)
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Keywords | グラニュラー / CoPt / 磁気記録媒体 / ハードディスク / 薄膜 / 対向ターゲット式スパッタ法 / 分離母材 / ZrO_2 |
Research Abstract |
磁気記録媒体の高密度化のためには、とくに信号出力/ノイズ比(S/N比)の向上が重要であり、記録媒体の高保磁力化、媒体構成粒子の微細化および媒体ノイズの低減が必須になる。媒体ノイズの主因は媒体を構成している磁性結晶粒子間に働く磁気的交換相互作用である。従って、磁性金属微粒子が非磁性マトリックス中に分散し、完全に孤立化することにより、磁気的相互作用が低減されるグラニュラー磁性薄膜は、低ノイズ媒体として有望である。本研究においては、まず20Gbit/siを目標として実験を行い、薄膜の構造は低ノイズ媒体として有望であるグラニュラー構造を選択し、グラニュラー磁性薄膜を作製し、その磁気特性を検討し、高密度磁気記録媒体としての可能性を検討した。また、20Gbit/si以上の高密度磁気記録媒体には、上記の条件を満たし、より大きな磁気異方性が必要となる。そこで、CoPt薄膜にCuを添加し、結晶構造および磁気特性に及ぼす効果を検討した。 まず初めに、CoPt-ZrO_2グラニュラー薄膜について熱処理温度、ZrO_2体積率および膜厚が磁気特性に及ぼす影響について検討した。作製した膜ではZrO_2はアモルファス状であり、CoPt粒子は結晶化していた。微細構造の観察の結果、as-depo.膜では3〜5nmのアモルファス粒子がZrO_2マトリックス中に分散しており、500℃で熱処理した膜では、5〜8nmの結晶粒子がZrO_2マトリックス中に分散していることが確認された。膜厚が20nm、ZrO_2含有率48vol.%、Ta=500℃の薄膜の、保磁力は3500Oeとなった。保磁力増大の原因として、ZrO_2によりCoPt粒子が分離されたこと、CoPt粒子が微細化されたこと、CoPt粒子とZrO_2の表面間歪みの影響、などが考えられ、これらについての解析を行った。 次に、CoPt-ZrO_2グラニュラー薄膜にCuを添加し、熱処理温度の低温化および磁気異方性の付与を目的とし、CoPtCu-ZrO_2グラニュラー薄膜を作製した。その結果、面内保磁力が垂直保磁力より大きな試料を作製できた。Cuの添加効果を調べるためにCoPtCu薄膜を用いて比較検討した。その結果Cu添加率Cu/Co=0.96付近において(002)面に結晶配向することを確認した。
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[Publications] 秋吉宏一,柿崎浩一,平塚信之: "CoPt-ZrO_2グラニュラー薄膜の磁気特性"日本応用磁気学会誌. Vol.24,No.4-2. 287-290 (2000)
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[Publications] N.Hiratsuka,K.Akiyoshi,K.Kakizaki,D.M.Donnet and K.Kobayashi: "Microstructure and Magnetic Behavior of Granular CoPt Thin Film"Electrochemical Technology Application in Electronics III. 298-303 (2000)
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[Publications] 柿崎浩一,秋吉宏一,野田琢郎,平塚信之: "高密度磁気記録用CoPt系グラニュラー薄膜の作製と磁気特性"電子情報通信学会技術研究報告. MR2000-20. 17-22 (2000)