1999 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
11750270
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Research Institution | Shonan Institute of Technology |
Principal Investigator |
眞岩 宏司 湘南工科大学, 工学部, 講師 (50229283)
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Keywords | 強誘電体薄膜 / Pb(Zr,Ti)O_3 / 走査型プローブ顕微鏡 / 圧電特性 / マイクロアクチュエーター / ダブルビームレーザー干渉計 / 化学溶液塗布法 |
Research Abstract |
化学溶液塗布法(CSD)もしくは有機金属化学気相成長法(MOCVD)により作製したPb(Zr,Ti)O_3(PZT)薄膜の圧電特性を評価した。走査型プローブ顕微鏡(SPM)とダブルビームレーザー干渉計により、薄膜の圧電定数を測定するとともに、電気的特性(分極、比誘電率)から圧電定数を計算した。計算に当たっては比誘電率から180度分域の影響を排除する方法を提案し、実行した。測定結果と計算結果は妥当な一致をみた。MPB組成付近の50/50組成で圧電定数が最大となることが予想されたが、SPMによる測定結果はその予想とは異なり、正方晶組成30/70で最大となった。また、ヒステリシスループの形状から考えても配向した薄膜試料においては正方晶組成が応用には好適と考えられる。 さらに、測定法としてはSPMとダブルビームレーザー干渉計の二つの方法を比較した。SPMはドメインの分布状態などの微細領域の圧電特性にアクセスできる利点を有する。また、ダブルビームレーザー干渉計はより広い領域の圧電特性を精度良く求めることができる。両方の特徴をそれぞれ合い補う形で使用していくのが、現状では重要であると結論できた。また、ここで示した薄膜の圧電定数と電気的特性からの計算結果が比較的良い一致をみることは、今回使用したような膜厚200-540nmの薄膜では単結晶シングルドメインと同様な状況すなわち非180度ドメインの回転が歪みに寄与しない状況が起きていることを示している。
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