1999 Fiscal Year Annual Research Report
アモルファスカーボン/フラーレンの複合化による新材料の創出に関する研究
Project/Area Number |
11750271
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Research Institution | Toyota Technological Institute |
Principal Investigator |
小島 信晃 豊田工業大学, 工学研究科, 助手 (70281491)
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Keywords | フラーレン / アモルファスカーボン / カーボン / 超格子構造 / 太陽電池 / 窒素ドーピング / ラジカル・ビーム / 複合膜 |
Research Abstract |
アモルファスカーボン/フラーレン複合化膜の作製を目的として、まず、複合化に適したアモルファスカーボン膜の成膜方法を検討した。メタンガスを原料としたケミカルビーム法によるアモルファスカーボン膜の作製を試みたが、装置上の問題が発生し、成膜には至らなかった。一方、ラジカル・ビーム法によるフラーレン(C_<60>)への窒素ドーピングの研究の過程で、C_<60>への窒素イオンの衝突により、C_<60>分子が破壊されてアモルファスカーボン化することが見いだされた。この手法で作製されたアモルファスカーボンは、フラーレンとの複合化が容易であり、またC_<60>膜のアモルファスカーボン化の度合いも、窒素ビーム中のイオン量を調整することにより、容易に制御できることが明らかとなった。本研究では、特に太陽電池への応用を目指しているが、そのためには光学的特性の制御が重要である。C_<60>への窒素ドーピングによりアモルファスカーボン化した膜では、光吸収係数値の増大、ならびにバンドギャップ値を1.30〜1.52eVで制御することに成功した。これは、太陽電池材料への応用への有用性を示すものである。 さらに、上記手法を発展させ、窒素ビームをシャッターでオン、オフすることにより、C_<60>層とアモルファスカーボン層の周期構造を作製することが可能である。現在、この方法によりC_<60>/アモルファスカーボン超格子構造の作製に着手し、実験を進めている。
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