1999 Fiscal Year Annual Research Report
超高電界下での交流損失電流波形解析法の高性能化に関する基礎研究
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11750272
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Research Institution | Numazu National College of Technology |
Principal Investigator |
遠山 和之 沼津工業高等専門学校, 電子制御工学科, 助教授 (40197851)
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Keywords | 損失電流波形 / 空間電荷 / 高電界 / ポリエチレン / 交流電気伝導 / 電力ケーブル / 同時観測 / PEA法 |
Research Abstract |
本研究では、電力ケーブルの絶縁材料として用いられるポリエチレン等の無極性高分子材料の交流高電界下での非線形応答時の高調波成分も含めた損失電流波形とPEA法による空間電荷分布の同時観測が可能な実験用セルを試作と交流超高電界下で損失電流と空間電荷分布の同時観測を実現する技術開発を進めた。以下に研究実績の概要を示す。 1.従来の損失電流波形観測用試料の作製方法を改良し、エポキシ樹脂モールド時に専用セルによりフィルムを完全に平らな状態にする方法を考案、試料の試作に成功した。 2.パソコンと実験装置をGPIBケーブルで接続することにより、印加電圧、周波数、印加時間を制御し、電子注入が支配的になる高電界まで均一の条件、かつ、安定した測定を実施できるようにした。 3.試料に流れる容量性電流の約90%を信号検出回路でキャンセルさせ、損失電流の測定精度を向上させることに成功した。キャンセルされずに検出信号に含まれる容量性電流成分は、データ処理により打ち消す方法を検討し、高調波成分も含めた損失電流波形の高精度観測の目処をつけた。今後、この手法にさらなる改良を加え、交流電気伝導現象の可視化を目指す。
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