1999 Fiscal Year Annual Research Report
紫外線硬化樹脂を応用したサブミリ波帯回路素子の開発に関する研究
Project/Area Number |
11750281
|
Research Institution | Tohoku University |
Principal Investigator |
浜野 哲子 東北大学, 電気通信研究所, 助手 (70281657)
|
Keywords | サブミリ波帯 / マイクロマシーン技術 / 紫外線硬化樹脂 |
Research Abstract |
周波数帯域が300GHzから数THzに渡る電磁波をサブミリ波とよび、宇宙環境観測あるいは大気環境観測で応用されている周波数帯域である。サブミリ波帯の観測システムに組み込まれる回路素子は、100ミクロンオーダの大きさで、ミクロンオーダの大きさ制御で製作が求められる。本研究では、大きさが数10〜100ミクロンのサブミリ波帯導波管用素子を紫外線硬化樹脂(EPON SU-8;エボキシ樹脂)を利用して製作する。この樹脂のメリットは、複雑な立体構造をリソグラフにて勢作することにより、微小素子を低コストで大量生産することができる。今後、勢作の改善を始めとし、回路素子の実現を目指している。 本年度は、紫外線硬化樹脂を用いたマイクロマシン技術の確立を重点においた。我々は、具体的なサブミリ波帯回路素子として、A)非接触型可動バックショート、B)準光学的なダイクロイック板を製作した。 これまで、樹脂の厚さが300〜500ミクロンである、600GHz帯の回路素子をの中心に製作してきたが、樹脂の加工限界を知るために、以下の製作技術の開拓・改善を目指した。 1)樹脂の厚さの増大。厚さが0.5〜1mmの300〜500GHz帯の回路素子を試作。 2)樹脂の微細化、リソグラフの限界。1THz以上の周波数帯に適用できる、大きさが200ミクロン以下の回路素子を試作。 これまでの経過では、樹脂の加工・取り扱い方法の経験的目安は得られたものの、樹脂の厚さによって加工条件が定まらない。しかし、厚さの限界では(樹脂の濃度にも依るが)1 mm程度の形状が加工できることがわかった。微細加工については、樹脂の膜厚状態に依存し、200ミクロン厚であれば最大アスペクト比20:1の加工に成功した(キュア後のサイズで160ミクロン厚に対し、幅80ミクロンのフォーク型の隙間を製作)。
|
Research Products
(1 results)