1999 Fiscal Year Annual Research Report
高度感性情報に着目した画像表現のための新しいツールの開発
Project/Area Number |
11750315
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Research Institution | Japan Advanced Institute of Science and Technology |
Principal Investigator |
亀田 昌志 北陸先端科学技術大学院大学, 情報科学研究科, 助手 (60243325)
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Keywords | 高度感性情報 / 高品位画像 / 画質評価 / 画像構成 / 基本曲面 / 画像特徴 |
Research Abstract |
本研究は,画像において一般に品位と呼ばれているものを表し得る情報に着目して,それに基づいた画像処理技術の構築を指向している。そこで,まず,西洋絵画を対象として,その鑑賞において生じる芸術的印象のことを新たなキーワード:高度感性情報と定義した上で,高度感性情報そのものについて解析を行う。 1.主観評価:まず,西洋絵画に関する複数の文献を対象に,芸術的印象を表していると考えられる画像評価語の収集を行った。また,同時に西洋絵画の技法(物理的要因)を表している構成要素についても収集した。その後,Dematel法による解析を行うことで,画像評価語と構成要素との間の階層構造を明らかにした。得られた階層構造に対して階層分析法を適用することで,高度感性情報との関わりが強く,且つ,定量的に画質を評価可能である評価語が「奥行き感」であることを解析的に明らかにした。 2.客観評価:評価語による画質評価においては,言葉自体の持つ意味が個々の評価者によって異なる場合があり,正確な評価が行えないことがある。そこで,言葉では表現することが困難であろう部分も包含した客観的な画質評価を行うことを目的として,生体反応の一つであるα波に注目した。開発を行った高品位画像システムに画像を表示したときのα波の発生を測定し,画質(品位)との間に関係があることを明らかにした。 一方で,画像を従来の統計モデルのような画素の集合ではなく,画(曲面)の集合に基づく新しい画像モデルを提案し,本モデルの核となりうる基本曲面の抽出を行った。ここで抽出された基本曲面は,画像を構成するために必要な基本的な特徴量となる。基本曲面のみを用いて画像構成を行った結果,それらは,画像の大まかな部分を近似するに十分であることを明らかにした。
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[Publications] 亀田 昌志: "高度感性情報に着目した画像のKey評価語の解析"映像メディア処理シンポジウム(第4回). 67-68 (1999)
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[Publications] 亀田 昌志: "Image Construction by A Set of Essential Curved Surface Units"Inter.Workshop on Very Low Bitrate Video Coding. 184-187 (1999)
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[Publications] 亀田 昌志: "画像のサブバンド符号化における視知覚特性を考慮した最適周波数分割"電子情報通信学会 論文誌 D-II. (採録予定).
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[Publications] 林 秀彦: "高品位画像の画質評価・脳波を指標とする客観的評価法と主観的評価法による-"情報処理学会 グループウェア研究会. (1999・3発表予定).