2000 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
11750338
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Research Institution | Waseda University |
Principal Investigator |
小林 学 早稲田大学, 理工学部, 助手 (80308204)
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Keywords | 符号理論 / 誤り訂正符号 / 軟判定復号法 / 2元線形ブロック符号 / 最尤復号法 / 置換生成行列 |
Research Abstract |
本研究は携帯電話や衛星通信等の情報通信において,雑音の影響を取り除く誤り訂正符号に対する復号法を対象としている.中でも最尤復号法は復号誤り確率を最小とするが,最も尤度の高い符号語を探索する必要があるため,多くの計算量を要するという欠点をあわせ持つ.本研究はこの最尤復号法の計算量を従来手法よりさらに低減することを目的としている.従来効率的な最尤復号法として,誤り訂正符号の符号化を利用する復号法が知られている.これは通信路から受信した系列の信頼度の高い位置を情報シンボルとみなし,この情報シンボルを緩やかに変化させながら複数回符号化を行うことにより候補符号語を出力し,尤度が最大となる最尤符号語を探索する復号法である.これにより復号に必要となる平均計算量の大幅な低減が実現されている. 本研究では,従来独立に複数回繰り返していた符号化に対し,以前候補符号語として出力された符号語を利用することにより,次に出力すべき候補符号語を非常に効率良く求める手法を提案した.また従来符号化を行い,候補符号語を生成してからその符号語の尤度(事後確率に比例する)を独立に求めていたのに対し,複数符号語の尤度を同時に計算することによりさらなる計算量低減を実現した.これらの技術をAIの探索手法であるA*アルゴリズムを用いる最尤復号法に応用し,結果的に符号化する回数が低減され,かつ符号化1回に必要となる計算量も減少することにより,復号全体に必要となる計算量を大幅に低減した. また尤度を求めるためには候補符号語に対し実数上の演算が必要となるが,0,1のシンボル情報のみから,得られた符号語が最尤とはなりえないことを判定する十分条件を導き,これを符号語が得られるたびに判定することにより,数多くの不必要な尤度計算のための実数演算量を低減した. 本研究により,従来計算量が問題となっている最尤復号法に対し,その効率化を実現することができた.これらの提案は,復号誤り確率の多少の劣化を許しても,更なる大幅な計算量の低減を実現する準最尤復号法へ応用することも容易に可能である.計算量低減の度合いの理論的保証が重要な今後の課題である.
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[Publications] 小笠原尚徳,岡田知嗣,小林学,平澤茂一: "ブロック符号の構造を用いた畳込み符号に関する一考察"電子情報通信学会研究技術報告. IT2000-20. 37-42 (2000)
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[Publications] 竹内公二,岩下将人,小林学,平澤茂一: "リスト復号アルゴリズムを用いた軟判定復号法について"電子情報通信学会研究技術報告. IT2000-21. 43-48 (2000)
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[Publications] 岡田知嗣,小林学,平澤茂一: "置換生成行列を用いた線形ブロック符号に対する最尤復号法"第23回情報理論とその応用シンポジウム予稿集. Vol1. 13-16 (2000)
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[Publications] 岩下将人,小林学,平澤茂一: "Reddy-Robinson復号法のリスト復号への拡張とその誤り訂正能力"電子情報通信学会研究技術報告. IT2000-41. 1-8 (2001)
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[Publications] 八木芳樹,岡田知嗣,小林学,平澤茂一: "置換生成行列を用いた尤度計算量を低減する最尤復号法"電子情報通信学会研究技術報告. IT2000-42. 9-16 (2001)