1999 Fiscal Year Annual Research Report
衛生データおよびGISを用いた湖沼水質分布予測システムの開発
Project/Area Number |
11750349
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
沖 一雄 東京大学, 大学院・農学生命科学研究科, 講師 (50292628)
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Keywords | リモートセンシング / GIS / 流域 / 環境 / 汚濁負荷 / TIV / 霞ヶ浦 / NDVI |
Research Abstract |
本研究は、河川、湖沼の流域を対象として、流域の土地被覆分布パターンの違いより汚濁負荷(全窒素)の移動がどのように変動するか、その動態を評価することを目的としている。具体的には、霞ヶ浦流域および日本全域の河川流域を対象として、土地被覆単位の水域への汚濁負荷流出原単位の推定、水域への汚濁負荷流入量の推定を試みた。 霞ヶ浦流域では、森林、農地、市街地ごとの全窒素流出原単位、ならびに流域全体における全窒素流入量を推定し、1970,80,90年代ごとの土地被覆変化に基づく窒素収支の変化を評価した。各土地被覆カテゴリーごとの全窒素流出原単位、ならびに流域全体における全窒素流入量を推定する際には、流域の土地被覆変化を精度良く評価することが要求される。霞ヶ浦流域では土地被覆およびその変化を評価するために人工衛星LANDSAT,MSSデータを用い、その有用性を示した。 一方、日本全域においても、広域観測に適している人工衛星NOAA,AVHRRデータから算出された月別NDVIを用いて、日本全域における河川、湖沼流域の土地被覆分布パターンを評価し、土地被覆単位の水域への全窒素負荷流出原単位の推定をおこない、土地被覆分布パターンをパラメータとした水域へ流入する年間全窒素負荷量の推定モデルの作成をおこなった。その結果、各流域において河川流量および土地被覆パターンが計測できれば、提案したモデルにより流入年間全窒素負荷量を推定することが可能であることを示した。 なお、本研究では、日本全域における河川流域を国土数値データの流域情報(KS-609)により決定した。また、土地被覆分布の評価には、霞ヶ浦流域では、1979年、1984年、1990年の人工衛星LANDSAT,MSSデータを用い、日本全域では、1996年1月から12月の月別植生指数(NDVI)画像(12データ)を用いた。
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