1999 Fiscal Year Annual Research Report
分散したデータの並列統合処理アルゴリズムの設計と効率化に関する研究
Project/Area Number |
11750353
|
Research Institution | Osaka Prefecture University |
Principal Investigator |
宇野 裕之 大阪府立大学, 総合科学部, 講師 (60244670)
|
Keywords | アルゴリズム理論 / 並列処理 / 計算量の理論 / 知識獲得 / 組合せ最適化 / グラフ理論 |
Research Abstract |
われわれは、オンラインで入手可能な情報資源が大規模化、分散化したりするのにともない、WWWなどに分散して配置されたデータなどの情報資源から、それらを効率的に並列統合処理することで、有用な情報や知識を獲得することが重要であると考えた。この問題に関して綿密に調査・研究を重ねるうちに、これまで考慮されていなかった未提案・未解決の問題があることを発見した。そして、この問題をグラフ理論の枠組みを用いて組合せ最適化問題として定式化することに成功した。 そこで初年度(11年度)は、この問題を深く掘り下げて調査・解析し、そのアルゴリズム的な性質を明らかにすることを最初の目標とした。この過程で、11年度に交付された科研費補助金により、アルゴリズムの設計理論や組合せ最適化の理論に関する最新の書籍を購入し、研究・調査を行った。また、テーマを共有する研究者と何度にもわたる討論や意見交換を必要とし、このために国内旅費を使った。 その結果、われわれの定式化した問題が、計算の複雑さの意味で難しいとされる問題であることが明らかになるとともに、その対応策として、有効な近似アルゴリズムを提案することに成功した。その成果を国際会議で公表するために海外旅費を消費した。さらに、これらの成果や設計したアルゴリズムやプログラムなどは、WWWなどを通して全世界に公表することが重要であると考え、そのためのソフトウェアなどを購入した。また、上記の問題が効率的に解ける場合や、近似アルゴリズムの効率化などについての研究結果も得ており、11年度に得られた成果とともに、12年度以降、順次発表・公開の予定である。
|