1999 Fiscal Year Annual Research Report
神経細胞を用いた生体信号計測システム「神経プローブ」に関する研究
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11750367
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Research Institution | Nagoya University |
Principal Investigator |
八木 透 名古屋大学, 工学研究科, 助手 (90291096)
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Keywords | 神経細胞培養 / 軸索誘導 / バイオチップ |
Research Abstract |
神経細胞の生存や成長に影響を与える「神経成長因子」の濃度勾配を人工的に作り、軸索の伸長方向を制御するという「化学向性」を利用し、電極上に培養した神経細胞の軸索伸長方向の制御を試みた。ラット、イモリ、金魚の3種の動物の網膜を取り出し、それぞれを培養した。またラットについては後根神経節細胞(脊柱内にある感覚系神経細胞)についても実験を行なった。下等脊椎動物の神経細胞培養は比較的容易であることが知られているが、今回の行なった実験結果ではイモリ網膜の培養が最も良い結果であった。そこでイモリ網膜から取り出した神経細胞を電極上で培養する実験を行なった。電極上に細胞を安定的に接着させるため、細胞外マトリックスの1成分であるコラーゲンやコンカナバリンなどの接着因子を用いたところ、電極のような金属表面にも細胞を安定的に培養できることがわかった。次に神経細胞の軸索を誘導する化学物質として、NGF、BDNF、NT-3、CNTFという4種類の物質を用いて、それぞれの濃度勾配を人工的に作り、軸索誘導を試みた。実験の結果、そのような化学物質を使用すると軸索の伸長が促進されることは確認できた。しかし軸索を特定方向へ誘導することは困難であり、当初の計画期間を過ぎても目標を実現できなっかた。おそらく今回用いた培養液の粘性が低く、化学物質の濃度勾配がうまく構成されなかったことが原因と思われる。そこで今後は、他の軸索誘導手法を導入することも検討し、電極上に培養した神経細胞の軸索誘導を試みる。
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Research Products
(5 results)
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[Publications] Tanaka,S.Yagi,T.et.al: "Electric charge distribution around stimulationelectrode in retinal implant"Proc.of IEEE Int.Conf.of Systems,Man and Cybernetics,1999. Vol.IV. 386-389 (1999)
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[Publications] Ito,Y.Yagi,T.et.al: "Cultures of neurons on microelectrode array in hybrid retinal implant"Proc.of IEEE Int. Conf. of Systems, Man and Cybernetics. Vol.IV. 414-417 (1999)
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[Publications] Ito,Y.Yagi,T.et.al: "Cultures of neurons on a microelectrode array and controls of their axon growth in hybrid retinal implant"Proc.of 1999 Int.Joint Conf.on Neural Networks. (印刷中). (1999)
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[Publications] Tanaka,S.Yagi,T.et.al: "The electric density distribution around a stimulation electrode array"Proc.of 1999 Int.Joint Conf.on Neural Networks. (印刷中). (1999)
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[Publications] Ito,Y.Yagi,T.et.al: "A cultures of neurons on a microelectrode array in hybrid retinal implant"Investigative Ophthalmology & Visual Science (IOVS). Vol. 40, No.4. 734 (1999)