1999 Fiscal Year Annual Research Report
時変なクラスの不確かさをもつ系の最適ロバスト予見制御と実システムへの応用
Project/Area Number |
11750390
|
Research Institution | Nagoya Institute of Technology |
Principal Investigator |
山田 学 名古屋工業大学, 極微構造デバイス研究センター, 助教授 (40242903)
|
Keywords | 予見制御 / 離散時間制御 / 零位相差追従コントローラ / ゲイン特性 / 最適化 / スペクトル分解法 / ディオファンティン方程式 |
Research Abstract |
目標入力の未来情報も積極的に制御に利用して制御系の位相遅れを全周波数域で零に補償する零位相差追従制御法は,サーボ系において優れた追従性能を与えるものとして注目されている.しかし実用上の観点から制御系のゲイン特性およびロバスト性に問題点をもつ.本研究では,これらの問題点を解決する制御系の設計法を提案することと,実機に応用有効性を実証することを研究目的とした. 平成11年度は制御系設計法の理論研究を主に行った.本年度の研究実績は,制御対象に不確かさがないとき,最適零位相差追従性を補償できるフィードフォワード補償器の簡単な設計法は求めたことである.その有効性は以下である. 第一に,零位相差追従補償器の一般形を与えた.スペクトル分解法により,補償器の設計問題をディオファンティン方程式に帰着させ,その解を用いて零位相差追従補償器の一般形を陽な形で明らかにした.その結果,補償器の自由度をフリーパラメータにより特徴づけることができた.第二に,制御系のゲインを1に近づけるため,与えられた周波数帯域におけるゲインと1との差の2乗積分値を評価関数とし,これを最小化する最適零位相差追従補償器の設計法を提案した.設計問題を拘束条件なしの最適化問題に帰着させ,設計法を容易にしている.数値例によりその有効性を確認した.以上の成果は論文としてまとめられ学会誌に掲載されており,評価を得ている.
|
Research Products
(4 results)
-
[Publications] Manabu Yamada: "Generalized Optimal Zero Phase Error Tracking Controller Design"Transactions of the ASME,Journal of Dynamic Systems,Measurement,and Control. Vol.121,No.2. 165-170 (1999)
-
[Publications] Manabu Yamada: "Design of Discrite-Time Repetitive Control Systems for Pole-Placement and Application"IEEE / ASME Transactions on Mechatronics. Vol.4,No.2. 110-118 (1999)
-
[Publications] 山田 学: "サンプル値系の有限時間整定制御"計測と制御. 38巻9号. 553-558 (1999)
-
[Publications] 山田 学: "不確かさの影響を最小化する多入力多出力デッドビート制御系"第28回制御理論シンポジウム資料. 227-232 (1999)