1999 Fiscal Year Annual Research Report
観測データに基づくモデル集合の同定とロバスト制御系設計の同時実行に関する基礎研究
Project/Area Number |
11750393
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Research Institution | Osaka University |
Principal Investigator |
山本 茂 大阪大学, 大学院・基礎工学研究科, 講師 (70220465)
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Keywords | モデル集合 / ロバスト制御 / システム同定 / 同定と制御 / 同時実行 |
Research Abstract |
本研究課題は,モデル集合の同定と制御系設計の同時実行に関する基礎研究である.本研究課題で明らかとなった内容は以下のとおりである. ● 同定と補償器設計のための条件 入出力観測データに矛盾しないという条件に加え,制御仕様が達成できるロバスト制御器が存在するための条件を付加した最小モデル集合の導入が可能であることを明らかにした. ●検証データの収集 非線形システム(特にカオス現象がみられるシステム)を対象とし,最近注目されているカオス制御法と定性的性質に着目した制御法の二手法について考察し,同定と制御系設計の同時実行のためのデータを収集した. ●最小モデル集合を同定するチューニングコントローラ ロバスト制御器のパラメトリゼーションに基づいて,調整可能な時変パラメータを有する制御系設計問題を考察した.制御系は,自由パラメータを含むロバスト制御器とそのパラメータを調整する条件判断のアルゴリズムからなっている.特に,対象の不確かな変動パラメータの推定値に従って,時変パラメータを適応的に調整することにより,閉ループ系の応答が改善されることを示した.この制御系の特徴は,対象のパラメータが事前に考慮された範囲内で変動する限り,安定性が保証できる点にある.
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[Publications] 山本 茂: "ロバスト安定化状態フィードバックの時変パラメータを用いた適応制御系の一設計法"システム制御情報学会論文誌. 12・6. 319-325 (1999)
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[Publications] 木村雅孝: "ロバストパフォーマンス制御則の存在を条件とする状態空間型モデル集合の同定法"システム制御情報学会論文誌. 12・7. 444-446 (1999)
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[Publications] T.Ushio: "Prediction-based Control of Chaos"Physics Letters A. 264. 30-35 (1999)
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[Publications] T.Ushio: "Prediction-Based Control in Chaotic Discrete-Time Systems"Proceedings of the 38th IEEE Conference on Decision and Control. 2053-2054 (1999)
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[Publications] 井上 馨: "弾性ロータ系における跳躍現象の抑制制御"システム制御情報学会論文誌. 13・7(掲載予定). (2000)