1999 Fiscal Year Annual Research Report
知的自律システムのための創発的知覚メカニズム構築に関する研究
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11750400
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Research Institution | Iwate Prefectural University |
Principal Investigator |
羽倉 淳 岩手県立大学, ソフトウェア情報学部, 講師 (30305289)
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Keywords | 知覚メカニズム / 自己尺度 / 学習メカニズム / 知的自律システム / 自律移動ロポット / シンボルグラウンディング / オプティカルフロー / アフォーダンス |
Research Abstract |
本研究はセンサ系とアクチュエータ系を持つ人工システムが試行錯誤により,行動を実現する上で不可欠な環境情報を知覚対象(自己尺度)として獲得するためのメカニズムの構築を目的とする.本年度は,これまで提案してきたメカニズムの拡張,定式化とビジョン系によるメカニズムの検討をそれぞれ以下のように行った: 1.内部シミュレータによるメカニズム 本メカニズムはセンサ入力をもとに,システム内部のセンサ系のシミュレータを用い,環境の内部表現を再構築し,この内部表現に対して行動を関連づけることでシステムの行動に関する自己尺度を獲得する.本年度は,内部表現の再構築と行動との関連付けの2箇所で人工ニューラルネットワークによる学習を用いた場合の定式化等を行ってきた.実機に導入する際の問題点として,内部表現の再構築に要する時間が挙げられることが判明した.これに対し実機を用い検討を行った結果,実機のソナーセンサの実測値とその蓄積を利用した内部表現の再構築が可能である感触を得ている.すなわち,内部表現の再構築に学習を用いない手法を実装・検証していく予定である. 2.多重エージェント系によるメカニズム 本メカニズムは内部表現を多重エージェント系の各エージェントの状態として表現することで,行動系列とセンサ情報を利用しセンサ入力に変化がない場合にも,環境に応じた行動を実現する.本年度は定式化とシミュレーターにおける実験を行った. 3.ビジョン系によるメカニズム 本メカニズムにおいては,特に自己動作知覚のための方法論の検討を行った.すなわち,滑り等の原因でモータへの運行指令が実際のシステムの挙動と一致しないような場合にオプティカル・フローをもとに実際の変位を同定するメカニズムの検討を行った. 来年度は,上記のメカニズムについて実機によるより詳細な実験を行うとともに,問題点の検討・克服を行い,メカニズムの統合を試みる.
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[Publications] Jun Hakura: "A metamorphic internal image of autonomous agents:Emergence of behavior"Robotics and Autonomous Systems. 28. 149-161 (1999)
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[Publications] Jun Hakura: "Empirical Measurement toward an Emergent Perceptibility of Autonomous Robots"Journal of Robotics and Mechatoronics. 11-5. 362-366 (1999)
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[Publications] 荒木 啓二郎: "ソフトウェア工学の基礎VI"近代科学社. 296 (1999)