1999 Fiscal Year Annual Research Report
多変数干渉プロセスのインテリジェントPID制御に関する研究
Project/Area Number |
11750403
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Research Institution | Hiroshima University |
Principal Investigator |
山本 透 広島大学, 学校教育学部, 助教授 (10200825)
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Keywords | PID制御 / 多変数制御 / ニューラルネットワーク / インテリジェント制御 / プロセス制御 / 非干渉化 / 非線形制御 / 化学プロセス |
Research Abstract |
化学プロセス等に代表されるプロセス制御系に対して、古くからPID制御法が適用されている。この理由として、制御パラメータのもつ物理的な意味が明確であること、また制御系の構造そのものが単純であることなどが考えられる。しかしながら、PIDパラメータの調整は難しく、古くから現在に至るまで数多くのPIDパラメータの調整法が提案されてはいるものの、現在もなお、重要な問題として残されている。とくに、化学プロセスなどにおいては、前もってシステムの特性を、正確に把握することができない場合が多く、また、反応を伴う化学プロセスは非線形性を有しており、時々刻々システムの特性が変動する場合も少なくない。さらに、化学プロセスのほとんどが多変数系であることが多く、PIDパラメータを適切に調整することは極めて困難な状況にある。 そこで本研究では、非線形特性を有した多変数干渉プロセスを対象とし、ニューラルネットワークを用いたインテリジェントPID制御系の設計方法について考察した。本手法は、まず、静的な前置補償器により大まかな非干渉化を行い、これによって構成される拡大系に対して多重ループ型のPID制御系を構成するというものである。このとき、PID制御器に含まれるPIDパラメータを、ニューラルネットワークにより調整する。すなわち、ニューラルネットワークでは、前置補償器で補償しきれなかった干渉の影響や、非線形性を吸収するように学習される。本年度の前半においては、主としてこの制御アルゴリズムの構築について考察し、後半において、数値例により本手法の有効性について検証するとともに、現在、現有の3入力3出力多変数干渉プロセス(空気圧・液面・流量)実験装置への実装化に取り組んでいるところである。
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Research Products
(6 results)
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[Publications] Y.Yamamoto and M.Kaneda: "Intelligent Controller Using CMACs with Self-Organized Structure and Its Application for a Process System"IEICE Trans.on Fundamentals of Electronics,Communications and Computer Sciences. E82A・5. 856-860 (1999)
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[Publications] 満倉、山本、兼田: "GAを用いたセルフチューニングPID制御系の一設計"計測自動制御学会論文集. 36・1. 75-81 (2000)
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[Publications] 高本、山本、兼田: "離散時間2自由度極配置制御系の一設計"電子情報通信学会論文誌. J83A・4(掲載予定). (2000)
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[Publications] 藤井、山本、兼田: "ポリブテン重合反応プロセスのセルフチューニングPID制御"化学工業会論文集. 26・3(掲載予定). (2000)
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[Publications] Y.Mitsukura,T.Yamamato and M.Kaneda: "Genetic Tuning Scheme of PID Parameters for First-Order Systems with Large Dead Times"IEICE Trans.on Fundamentals of Electronics,Communications and Computer Sciences. E83A・4(掲載予定). (2000)
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[Publications] M.Tokuda,T.Yamamoto and M.Kaneda: "A Neural-Net Based Controller Supplementing a Multiloop PID Control System"Proceedings of 3rd Asian Contral Conference. (掲載予定). (2000)