2000 Fiscal Year Annual Research Report
多変数干渉プロセスのインテリジェントPID制御に関する研究
Project/Area Number |
11750403
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Research Institution | Hiroshima University |
Principal Investigator |
山本 透 広島大学, 教育学部, 助教授 (10200825)
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Keywords | プロセス制御 / PID制御 / インテリジェント制御 / ニューラルネットワーク / 多変数系 |
Research Abstract |
化学プロセス等に代表されるプロセス制御系を扱う現場においては,今なおPID制御法などの古典制御理論が広く用いられているのが現状である.この理由として,制御パラメータのもつ物理的な意味が明確であること,また制御系の構造そのものが単純であることなどが考えられる.しかしながら,PIDパラメータの調整は難しく,古くから現在に至るまで数多くのPIDパラメータの調整法が提案されてはいるものの,現在もなお,重要な問題として残されている.とくに,化学プロセスなどにおいては,前もってシステムの特性を,正確に把握することができないことが多く,また,反応を伴う化学プロセスは非線形性を有しており,時々刻々システムの特性が変動する場合も少なくない.さらに,そのほとんどが多変数系として与えられる.そこで本研究では,このような非線形特性を有した多変数干渉プロセスを対象とし,ニューラルネットワークを用いたインテリジェントPID制御系設計に関する研究を行った.具体的には,以下の方法について考察した. 一つは,先に述べた手法において,PID制御器のPIDパラメータをニューラルネットワークで調整する方法である.すなわち,固定の静的な前置補償器により大まかな非干渉化を行い,拡大形に対して構成された多重ループのPID制御器のPIDパラメータを,ニューラルネットワークにより調整する.これにより,前置補償器で補償しきれなかった干渉の影響や,非線形性を吸収するものである.もう一つは,上述の方法とは逆に,前置補償器により大まかに非干渉化を行った上で,その拡大形に対して多重ループ型PID制御系を設計するが,PID制御器は固定にしたまま,前置補償器をニューラルネットワークによりインテリジェント調整する方法である.すなわち,ニューロ非干渉化補償器を設計した.
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Research Products
(6 results)
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[Publications] 満倉,山本,兼田: "GAを用いたセルフチューニングPID制御系の一設計"計測自動制御学会論文集. 36・1. 75-81 (2000)
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[Publications] Mitsukura,Yamamoto and Kaneda: "Genetic Tuning Scheme of PID Parameters for First-Order Systems with Large Dead Times"IEICE Trans.on Fundamentals.. E83A・4. 740-746 (2000)
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[Publications] 藤井,山本,兼田: "ポリブテン重合反応プロセスのセルフチューニングPID制御"化学工学会論文集. 26・3. 437-442 (2000)
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[Publications] Namba,Yamamoto and Kaneda: "Design and Experimental Evaluation of a Self-Tuning Controllers Supplementing a Robust PID Controller"JSME International Journal on Mechanical Systems Machine Elements and manufacturing. 44.1(掲載予定). (2001)
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[Publications] Asano and Yamamoto: "A Design of Self-Tuning Predictive PID Controllers"IEICE Trans.on Fundametals.. E84A(掲載予定). (2001)
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[Publications] Tokuda and Yamamoto: "A Neural-Vet Based Controller Supplementing a Multiloop PID Control System"IEICE Trans.on Fundamentals. E84A(掲載予定). (2001)