2000 Fiscal Year Annual Research Report
フライアッシュによるコンクリート中の異種材料間界面性状の改善と鉄筋腐食の抑制
Project/Area Number |
11750408
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Research Institution | Tokyo Institute of Technology |
Principal Investigator |
宮里 心一 東京工業大学, 大学院・理工学研究科, 助手 (60302949)
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Keywords | コンクリート / フライアッシュ / 異種材料間界面性状 / 塩化物イオン浸透性 / 半理論的推計法 / 界面改善方法 / C_3SとC_3A |
Research Abstract |
(1)フライアッシュおよびシリカフューム等を含む各種結合材を用いたモルタル供試体について、(1)拡散セル実験とFickの第1法則から算出した拡散係数と、(2)電気泳動セル実験、細孔溶液濃度と電気的中性条件を考慮したEinsteinの関係式(下式)から推計した拡散係数、を比較した。その結果、何れの結合材を用いたモルタル試験に対しても、(2)の方法は拡散係数の半理論的推計法として適用可能であることが示された。 (2)上記(1)で提案する(2)の方法を用いて、モルタル中の塩化物イオン拡散係数を半理論的に推計した。その結果、フライアッシュを含むモルタルにおける塩化物イオン拡散係数は、普通ポルトランドセメントのみで作製されたモルタルにおける塩化物イオン拡散係数の約50%であることが確認された。 (3)フライアッシュとシリカフュームを混合使用することは、無混和の場合と比較して、モルタルの塩化物イオン浸透深さを約70%に低減することができた。 (4)界面性状に最も影響を及ぼす化学成分はC_3SとC_3Aであることが明らかとなった。特にフライアッシュ等を含む結合材中のC_3S+C_3A量と、界面ビッカース硬さ率あるいは界面厚さの間には直線的な線形関係が成立した。この理由は、結合材中のC_3SとC_3Aは、界面に多く形成される水酸化カルシウム、エトリンガイト等の生成物の水和に寄与するためと考えられた。 (5)界面の改善方法として、微粒分を除去した普通ポルトランドセメントを使用することの有効性を実験的に示した。
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[Publications] N.Otsuki,M.Hisada,H.Minagawa,S.Miyazato: "Assessment of Diffusion Coefficient of Chloride Ions in Mortars Using Different Types of Binders"Proc.of the Fourth CANMET/ACI/KCI International Conference "Repair,Rehabilitation and Maintenance of Concrete". 107-201 (2000)
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[Publications] 大即信明,久田真,宮里心一,皆川浩: "電気泳動実験による各種結合材を用いたモルタル中の塩化物イオンの拡散係数の推計"材料. 48・8. 876-881 (1999)
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[Publications] N.Otsuki,S.Miyazato,N.B.Diola,H.Suzuki: "Influences of Bending Crack and Water-Cement Ratio on Chloride-Induced Corrosion of Main Reinforcing Bars and Stirrups"ACI Materials Journal. 97-M53. 454-464 (2000)
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[Publications] 大即信明,宮里心一,鈴木裕隆,木村勇人: "曲げひび割れ近傍に生じる主鉄筋とスターラップの塩化物腐食形成機構"土木学会論文集. 627/V-44. 161-177 (1999)
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[Publications] 大即信明,久田真,木村勇人,宮里心一: "欠陥部がモルタル中鉄筋の塩化物によるマクロセル腐食の形態に及ぼす影響"セメント・コンクリート論文集. 52. 698-703 (1999)
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[Publications] A.Konagai,N.Otsuki,S.Miyazato,T.Nishida: "The influence of Segregation and Cold joint on the Corrosion of Steel Bars in Reinforced Concrete"Proc.of the Second International Summer Symposium. 309-312 (2000)