2000 Fiscal Year Annual Research Report
電子カルテと情報ネットワークを利用した橋梁構造物の知的維持管理
Project/Area Number |
11750413
|
Research Institution | Yamaguchi University |
Principal Investigator |
中村 秀明 山口大学, 工学部, 助教授 (20207905)
|
Keywords | 橋梁 / 維持管理 / データベース / 電子カルテ / データマイニング / ラフ集合 / インターネット / Bridge Management System |
Research Abstract |
橋梁の維持管理を行う上で最も需要な情報は、橋梁の劣化状況や損傷状況などを調べた調査・点検記録と橋梁に施した補修・補強の記録である。本研究では、これらの記録をきちんと残し、有効に活用するという観点から、調査・点検の記録や補修・補強の記録など、橋梁の維持管理業務により生じる記録を「電子カルテ」により整理し、ネットワークを使って情報の共有化を行っている。電子カルテを構築するにあたっては、実用的なものとするため、不必要なデータ項目をできるだけ削除した。橋梁の維持管理に携わっている専門家との意見交換により、最終的なデータ項目数は、159とし、橋梁を上部工はスパン単位で、下部工は橋台・橋脚単位で管理している。電子カルテには、現在、山口県が管理している1000橋近い橋梁のデータが蓄積されている。この電子カルテは、Bridge Management Systemと連携しており、橋梁の劣化診断、劣化予測、劣化要因の推定、維持管理対策の策定が可能となっている。さらに、インターネットを介してデータを参照することも可能となっている。さらに、これらの維持管理情報の中には、維持管理に役に立つ知識が潜んでいる可能性があるため、これらの情報の中に埋もれている知識の獲得を行うため、ラフ集合を使ったデータマイニング手法を提案し、手法の有効性についても検討を行っている。
|
-
[Publications] 神波修一郎: "橋梁維持管理システムにおけるデータベースシステムの構築"土木情報システム論文集. Vol.8. 167-174 (1999)
-
[Publications] 神波修一郎: "Bridge Management Systemにおけるデータベース管理システムの構築"第54回土木学会年次学術講演会講演概要集. 第6部. 290-291 (1999)
-
[Publications] 田中信也: "遺伝的アルゴリズムおよびラフ集合によるデータマイニング技術の橋梁データベースへの適用"第52回土木学会中国支部研究発表会発表概要集. 15-16 (2000)
-
[Publications] 神波修一郎: "ラフ集合を用いたデータマイニング技術の橋梁データベースへの適用"第55回土木学会年次学術講演会講演概要集. CS-096. 1-2 (2000)
-
[Publications] 中村秀明: "橋梁データベースからのルール型知識の獲得に関する研究"第7回日本ファジィ学会中国・四国支部大会講演概要集. 1-4 (2000)
-
[Publications] 河村圭: "Bridge Management System(BMS)における維持管理対策選定システムの開発"土木学会論文集. No.658,VI-48. 121-139 (2000)