2000 Fiscal Year Annual Research Report
火力発電において発生する産業廃棄物の有効リサイクルに関する研究
Project/Area Number |
11750414
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Research Institution | Yamaguchi University |
Principal Investigator |
松尾 栄治 山口大学, 工学部, 助手 (10284267)
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Keywords | フライアッシュ / 単位水量 / 締固め率 / 曲げ強度 / 転圧コンクリート / 振動締固め / 水粉体比 / 配合設計 |
Research Abstract |
石炭火力発電所から産廃として産出されるフライアッシュ(FA)の発生量は,年々飛躍的に増加しているが,その有効利用率は6割程度であり,残りは埋め立て処分されている.本研究ではFAが振動締固めにより,高い締固め効果を示す特性を利用し,海砂使用量をゼロとしたノーサンド(NS)FA転圧コンクリートの配合設計方法を検討した. FAを多量使用した場合,FA粒子表面への拘束水量の増加により単位水量が大幅に増加する.よって単位水量の低減を前提とし,配合要因(粗骨材容積,水粉体比,セメント量)がワーカビリティー(締固め率)に与える影響を検討した.その後,目標強度を普通転圧コンクリートと同様に材齢28日で5.7MPaとした強度試験を行った. その結果,粗骨材容積が増加しても締固め率は低下しないこと,締固め率は水粉体比の増加に伴い線形的に増加すること,さらに,セメント量が締固めに与える影響は小さいことなどがわかった.すなわち,NF-FA転圧コンクリートの締固め率は水粉体比のみで評価できることが明らかとなった. また曲げ強度は,いずれの材齢においてもセメント量の増加に伴いほぼ線形的に増加するものの,セメント量330kg/m^3以上になると頭打ちになり,目標配合強度を満足する最小セメント量は普通転圧コンクリートと同程度の300kg/m^3程度であることがわかった. 以上より,次のような配合設計方法を提案した. (1)水粉体比を一定とし,粗骨材容積を変化させて締固め率を求める.その結果から,締固め率が低下しない最大の粗骨材容積を決定する.(2)上で求めた粗骨材容積を固定し,水粉体比と締固め率の関係を求め,目標締固め率に応じた水粉体比を決定する.(3)上で決定した粗骨材容積と水粉体比を固定し,セメント量を変化させ,セメント量と曲げ強度の関係から,目標強度に応じた最小セメント量を決定する.
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[Publications] 扇正典: "フライアッシュをRCC細骨材として用いた場合の配合設計方法に関する基礎的研究"コンクリート工学年次論文報告集. 22巻2号. 1147-1152 (2000)
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[Publications] 松尾栄治: "フライアッシュを細骨材代替に用いたモルタルの配合に関する基礎的研究"コンクリート工学年次論文報告集. 22巻2号. 1141-1146 (2000)
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[Publications] 松尾栄治: "フライアッシュの転圧コンクリートとしての適用性"第27回セメント・コンクリート研究討論会論文報告集. 21-26 (2000)