1999 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
11750420
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Research Institution | Tohoku University |
Principal Investigator |
後藤 文彦 東北大学, 大学院・工学研究科, 助手 (10261596)
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Keywords | 有限変位 / 有限回転 / オイラー角 / 有限要素法 / 幾何学非線形 / 接線剛性 / 梁要素 / 板要素 |
Research Abstract |
本年度は、まず、はりモデルに対して空間固定三軸回りの回転自由度を用いた大変位有限要素解析の定式化を導出した。まず、全体座標系の外力仮想仕事と局所座標系の外力仮想仕事とを等置した式から、全体座標系の外力ベクトルと局所座標系の外力ベクトルとの関係式を導いた。但し、外力仮想仕事の仮想変位の回転成分は、微小であることから空間固定三軸回りの成分で表し、これと対応する外力ベクトルのモーメント成分が空間固定三軸回りの成分となるようにした。また、局所座標系の外力仮想仕事の仮想変位は、はり要素の両節点間の相対変位成分とし、よって回転成分も微小な相対回転とすることによって空間固定三軸回りの成分とした。この全体座標系と局所座標系の外力ベクトルの関係式に、いわゆる剛体変位除去の手法を用いて、局所座標系で成り立つ周知の線形剛性方程式を組み合わせることにより、全体座標系の非線形剛性方程式を導いた。要素の剛体的な大回転成分はオイラー角を用いた座標変換で表したため、接線剛性方程式を導くにはオイラー角の増分を取らなければならないが、幾何学的関係から最終的に解く増分式では、自由度が空間固定三軸回りの微小回転角成分となるようにした。そして、既存の解が存在する大変位問題に対して数値解析を行い、この定式化の精度を確認した。 次に、板要素に対して、要素の変形を無視して、局所座標系と全体座標系との外力ベクトルを座標変換を用いて簡易に結び付けることにより、はりモデルの場合と同様に非線形剛性方程式を導いた。既存の解が存在する大変位問題に対して数値解析を行い、この定式化の精度を確認したところ、簡易解法に基づいた板の定式化では十分な精度が得られないことが分かったので、次年度にははりモデルの場合と同様に仮想仕事に基づく定式化へと拡張させる予定である。
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