1999 Fiscal Year Annual Research Report
サブストラクチャー・ハイブリッド振動台実験における位相差補正法の開発
Project/Area Number |
11750424
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Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
五十嵐 晃 京都大学, 大学院・工学研究科, 助教授 (80263101)
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Keywords | ディジタルフィルタ / オンライン実験 / 電磁ダンパ / IIRフィルタ / DSP / 変位制御 / 振動台の制御 |
Research Abstract |
従来構造物や部材の地震応答を評価するための実験手法として用いられてきた静的載荷実験や振動台実験にかわる方法論として、振動台実験をベースにハイブリッド実験手法とサブストラクチャー手法を組み合わせたサブストラクチャーハイブリッド振動台実験手法を開発してきた。この実験手法の信頼性を確保するために必要なリアルタイムでの入力再現特性、特に入力-出力での位相差を可能な限りゼロとすることが重要である。本研究では、この目的のためにディジタルフィルタのアルゴリズムを数値積分アルゴリズムに組み込む手法を開発した。振動台の周波数応答特性をオフラインで計測した後、なるべく広い範囲の周波数領域において位相・振幅特性をフラットとするようなフィルターの設計を行い、実験システムを用いてその効果を検討した。 油圧式振動台、および電磁式粘性ダンパーとバネを用いてなるべく線形な特性を持たせた供試体を用いて実験手法の検証システムを構築した。振動台単体ではごく狭い範囲内での入力および応答での信頼性しか得られなかったのに対し、ディジタルフィルターの適用により広い周波数帯域を持つランダム波入力に対しても再現性の高い実験が行うことが可能であることを示す結果が得られた。また、この手法では加速度制御信号を用いているが、低い振動数領域でも特性をこの方法で補正することには限界があることも同時に見いだされた。そこで、さらに適用する入力範囲を低周波数領域に拡張するため、振動台加速度に加えて振動台変位の制御を同時に用いる手法についても予備的な検討を行い、有望な方法であることを確かめた。
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[Publications] Akira Igarashi 他: "Development of Substractured Shake Table Test Method"Proc.12th World Conference on Earthquake Engineering. No.1775 (2000)
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[Publications] 五十嵐 晃 他: "デジタルフィルタを用いたサブストラクチャーハイブリッド振動台実験手法"土木学会第54回年次学術講演会講演概要集. I-B. 110-111 (1999)