1999 Fiscal Year Annual Research Report
基盤構造推定のための長周期微動の2点同時観測を用いた「省力化アレー観測法」の開発
Project/Area Number |
11750425
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Research Institution | Tottori University |
Principal Investigator |
盛川 仁 鳥取大学, 工学部, 助教授 (60273463)
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Keywords | 空間自己相関法 / 周波数-波数スペクトル法 / やや長周期微動 / アレー観測 / 2点同時観測 / レーリー波 / 位相速度 / 地盤構造 |
Research Abstract |
従来のアレー観測法に基づいて得られた記録を使って周波数-波数(F-K)スペクトル法や空間自己相関(SPAC)法を用いて求められる位相速度の推定値と,本研究で開発する「省力化アレー観測法」によって得られた記録を使って求めることができる位相速度の推定値を比較し,手法の妥当性を検討した。 具体的には,以下の通りである。 (1)地盤構造がわかっている奈良盆地北部の平城宮跡で,7点同時観測を実施し,従来の解析法に基づいて位相速度を求めた。 (2)上で得られた同じ記録から,もしも「省力化アレー観測法」を行っていたとすれば得られるはずの記録のデータセットを再構成し,そのデータセットを用いて位相速度の推定を行った。 (3)両者の比較より,「省力化アレー観測法」の妥当性を検討し,提案手法の適用可能範囲を明確にした。 (4)同じ地域で今度は,「省力化アレー観測」のみを実施し,この記録を用いて位相速度を推定し,上の結果と比較検討した。 (5)上記の種々の手法で得られた位相速度より当該地域の地盤の速度構造を推定し,地盤に関する既往の情報と比較し,手法の妥当性を確認した。 (6)以上の結果より,「省力化アレー観測法」によって1秒より長周期領域では,十分な精度が得られることが確認できた。
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[Publications] Morikawa,H.ほか: "Estimation of Phase Velocities from Microseisms Observed at Two Sites"Earthquake Geotechnical Engineering,(Proc.of 2nd Int'l Conference on Earthquake Geotechnical Engineering). 119-124 (1999)
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[Publications] Morikawa,H.ほか: "Modeling Subsurface Structure in a Sedimentary Basin Using Seismic Records of Vertical Array and Various Geophysical Data"IASPEI99(International Association of Seismology & Physics of the Earth's Interior). (1999)
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[Publications] 赤松純平,盛川仁ほか: "脈動,地震探査,重力異常から推定される中国雲南省麗江盆地の地下構造"京都大学防災研究所年報. 第42号B-1. 167-177 (1999)
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[Publications] Morikawa,H.ほか: "Phase Characteristics of Source Time Function Modeled by Stochastic Impulse Train"Proc.of 12th World Conference on Earthquake Engineering. (2000)