2000 Fiscal Year Annual Research Report
応力変化に伴う土質材料の構造の乱れ評価と再圧密法に関する研究
Project/Area Number |
11750434
|
Research Institution | Kitami Institute of Technology |
Principal Investigator |
山下 聡 北見工業大学, 工学部, 助教授 (00174673)
|
Keywords | ベンダーエレメント / せん断剛性率 / せん断波速度 / 砂質土 / 繰返し載荷試験 / 異方圧密 / 構造異方性 / 構造の乱れ |
Research Abstract |
砂質土地盤の液状化強度やせん断特性を正確に室内試験から評価するためには,試料採取時から試験に至る過程で試料が受ける乱れを評価する必要がある。本研究では乱れを評価する指標として初期剛性の変化に着目し,種々の応力状態で圧密した砂質土供試体のせん断波速度をベンダーエレメントを用いて測定し比較した。さらに,凍結サンプリング試料の初期剛性をベンダーエレメントと繰返し試験により求め原位置試験結果と比較することによって,より正確な原位置のせん断特性を求めるための再圧密や評価法を検討した。その結果,以下のような成果が得られた。 1.堆積構造と応力状態の異方性が初期剛性に及ぼす影響について (1)等方応力状態において,堆積面に対して平行に伝播・振動するせん断波の速度が他の方向よりも高くなり,その比は豊浦砂で1.05,火山灰では1.13であった。 (2)堆積面に対して垂直または平行に伝播し,平行または垂直に振動するせん断波の速度は等しい。 (3)せん断剛性(せん断波速度)は,せん断波の振動及び伝播方向の応力に依存し,それと垂直な方向の応力にはほとんど依存しない。 (4)等方応力状態から離れ破壊状態に近い応力状態になるに従って,異方応力状態での初期剛性は既存の推定式で表される関係よりも低下するが,その低下割合はせん断波の伝播方向および圧密時の主応力方向によって異なる。 2.凍結サンプリング試料を用いた室内試験と原位置試験による初期剛性の比較について (1)繰返し試験から求めた剛性は,原位置試験で測定したせん断波速度から求めた剛性よりも硬質な地盤ほど低くなる。 (2)原位置試験と室内試験による剛性の差は,繰返し試験よりもベンダーエレメント試験の方が少ない。 (3)室内試験から試料の乱れを評価する場合には繰返し試験よりも原位置試験と同じせん断波速度から評価すべきである。
|
Research Products
(5 results)
-
[Publications] 山下聡: "原位置試験と室内試験によるせん断波速度と液状化強度の関係"地盤工学会北海道支部技術報告集. 41. 161-168 (2001)
-
[Publications] 星和則: "砂のせん断波速度に及ぼす構造異方性の影響"地盤工学会北海道支部技術報告集. 41. 169-174 (2001)
-
[Publications] 堀智仁: "原位置試験と室内試験による初期剛性の比較"地盤工学研究発表会講演集. 36(発表予定). (2001)
-
[Publications] 山下聡: "砂質土のせん断波速度に及ぼす構造異方性の影響"地盤工学研究発表会講演集. 36(発表予定). (2001)
-
[Publications] S.YAMASHITA: "Small strain stiffness on anisotropic consolidated state of sands by bender elements and cyclic loading tests"Proceedings of the 15th International Conference on Soil Mechanics and Geotechnical Engineering. 1(発表予定). (2001)