1999 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
11750438
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Research Institution | Shinshu University |
Principal Investigator |
梅崎 健夫 信州大学, 工学部, 助教授 (50193933)
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Keywords | 粘土 / 圧密 / 真空圧密 / 試験方法 / 間隙水圧 / 体積変化 / 飽和度 / 非排水せん断強度 |
Research Abstract |
真空圧密工法においては真空ポンプにより地盤内を減圧することにより地盤の圧密を促進する.このときの地盤内の応力状態を模擬した三軸圧縮試験を実施して,粘土の真空圧密挙動および強度増加特性を明らかにした. 得られた成果を要約すると以下のようである. (1)真空圧密工法により達成できる最大の真空度は-78.4kPa程度であり,深度約8mまでの部分の間隙水圧は負圧(大気圧以下)となり,それ以深の部分では間隙水圧が正圧のままで低下する.このような応力状態を模擬するために,(1)セル圧を一定に保ち,背圧を78.4kPa分だけ減少させる「真空圧密(u>0)」と,(2)背圧を解除した後,-78.4kPaの負圧まで間隙水圧を減少させる「真空圧密(u<0)」の2種類の真空圧密の試験を考案し実施した. (2)「真空圧密(u<0)」を実施する場合には,セル水を十分に脱気することが不可欠であり,脱気が不十分な場合にはセル水中の気泡がメンブレンを通して排水経路中に侵入し,圧密過程での排水量および間隙水圧の測定に大きな誤差を与えることを明らかにした.これを解決するために,二重セル型の不飽和土用三軸試験機(内セル水には脱気水を使用し,体積変化は内セル水の水位変化により測定し,間隙水圧はセラミックディスクを介して測定する.)を用いることの有効性も示し,真空圧密の試験方法を確立した. (3)新たに確立された試験方法を適用し,練返し再構成粘土を用いた試験結果により,真空圧密の挙動は載荷圧密の場合と等しく,「真空圧密(u<0)」の場合にも間隙水のキャビテーシヨンによる供試体の不飽和化は生じないこと,圧密後の強度増加特性も載荷圧密の場合と等しいこと,を明らかにした.
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