2000 Fiscal Year Annual Research Report
非局所弾粘塑性構成式による粘土のせん断帯解析と内部構造変化
Project/Area Number |
11750439
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Research Institution | Gifu University |
Principal Investigator |
沢田 和秀 岐阜大学, 工学部, 助手 (30273121)
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Keywords | 勾配依存理論 / コセラ連続体理論 / 非局所理論 / せん断帯 / 電子顕微鏡 |
Research Abstract |
粘性土の大変形時、特に破壊時近傍の状態を正確にシミュレートすることを目的とし、特に粘性土内部の間隙水の動き・体積ひずみ及びせん断ひずみの変化について詳しく検討した。また、岐阜大学保有の走査型電子顕微鏡により、せん断帯及びせん断帯付近の内部構造変化を確認し、数値解析により得られたせん断帯及びせん断帯付近の応力・ひずみ状態と照合することを試みた。 二つの非局所理論(コセラ連続体理論と勾配依存理論)を数値解析に適用した場合、平面ひずみ条件下においてメッシュサイズ依存性が現れる変形解析において、粘土供試体内部の種々の変形状態(せん断ひずみ・偶応力・間隙水圧の分布等)を把握することにより、メッシュサイズ依存性を回避できることを確認した。また、勾配依存理論については、粘塑性体積ひずみの二階空間勾配項を弾粘塑性構成式に加え、勾配項にかかる係数を変化させることにより、粘塑性体積ひずみをコントロールし、その結果、変形の集中の度合いを制御できる(せん断帯の幅がゼロにならない)ことを確認した。 これら二つの数値解析において共通する、材料の持つ特性長さ(例えば粘土粒子の粒径)が、粘土の局所的変形(せん断帯)にどのように関係するかについて詳しく検討するために、走査型電子顕微鏡を改良し、粘土の変形時のせん断帯およびせん断帯付近を観察した。 せん断帯近傍では、粘土粒子がある一定の基準をもって変形していることが観察できた。その一方、せん断変形による粘土粒子の乱れの影響がどの程度の範囲までおよぶかまでは詳細に把握できなかった。この点については、今後の課題として問題が残された。
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[Publications] F.Oka: "Instability of gradient-dependent elastoviscoplastic model for clay and strain localization analysis"Computer methods in applied mechanics and engineering. 183. 67-86 (2000)
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[Publications] 福島耕司: "粘土の構成モデルと水の移動に関する非局所性が局所変形解析に及ぼす影響"第35回地盤工学研究発表会平成12年度発表講演集. 2分冊の1. 637-638 (2000)
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[Publications] 古田竜一: "鉛直変位の拘束条件を可変とした粘性土の中空ねじり試験"第35回地盤工学研究発表会平成12年度発表講演集. 2分冊の1. 537-538 (2000)
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[Publications] 福島耕司: "勾配項の係数が初期不整粘土の局所変形解析結果に及ぼす影響について"土木学会中部支部研究発表会講演概要集. 341-342 (2000)
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[Publications] 沢田和秀: "塑性ひずみ勾配項の係数が粘土の局所変形解析結果に及ぼす影響について"土木学会第54回年次学術講演会講演概要集. III-B. 758-759 (1999)
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[Publications] 沢田和秀: "粘塑性コセラモデルによる局所変形領域の数値解析"第34回地盤工学研究発表会平成11年度発表講演集. 2分冊の1. 1177-1178 (1999)