1999 Fiscal Year Annual Research Report
せん断帯形成時におけるフラクタル構造と自己組織化臨界現象の研究
Project/Area Number |
11750443
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Research Institution | Osaka University |
Principal Investigator |
鍋島 康之 大阪大学, 大学院・工学研究科, 助手 (40263214)
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Keywords | 要素試験 / ひずみ経路制御試験 / せん断帯形成 / 均一性 / 含水比分布 / 疑似粘土供試体 |
Research Abstract |
まず,ひずみ経路制御ミニ三軸試験を行い,粘土供試体にせん断帯を生じさせることなく,均一にせん断することが可能であるかを検討した。その結果,ひずみ経路制御試験では供試体内部の過剰間隙水圧の分布を均一に保つことが可能であるため,ほぼ均一にせん断することが可能であることがわかった。一方,通常の三軸排水,非排水試験は要素試験として必要な応力,ひずみの均一性の条件を満足していないことが供試体内含水比分布を調べることによって明らかになり,この応力,ひずみの不均一性がせん断帯を形成する要因になっていることを明らかにした。 また,供試体内部のせん断帯形成を観測するために疑似粘土供試体として半透明の寒天供試体を用いて一軸圧縮試験を行い,供試体後部から透過光を照射することによって供試体内部に発生するせん断面の形成過程を観測した。その結果,比較的硬質な粘土のせん断試験で見られるような縦方向に発生する亀裂の形成は,供試体が軸方向からの圧縮によって半径方向へ変形することにより,供試体周縁部に引張力が発生し,周縁部から中心部へ向けて亀裂が進行すること明らかとなった。
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