1999 Fiscal Year Annual Research Report
海底微地形及び漂砂移動形態を考慮した漂砂の非平衡性の検討
Project/Area Number |
11750457
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Research Institution | Osaka University |
Principal Investigator |
小野 正順 大阪大学, 大学院・工学研究科, 講師 (80214188)
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Keywords | 非平衡性 / 漂砂移動現象 / 砂漣 / 単相流モデル |
Research Abstract |
漂砂の非平衡性とは,漂砂の沈降フラックスと浮上フラックスが釣り合っていない状態を示し,このことが地形変化を生じる原因となっている.漂砂の非平衡性は,砂の飛高及び飛距離の長い浮遊漂砂に対して特に問題になり,またその非平衡性は,移流拡散方程式を精度良く数値計算することで算定できることが知られている.移流拡散方程式により浮遊漂砂濃度を計算する場合,海底面での境界条件(基準点濃度)及び拡散係数を与える必要がある.非平衡状態の漂砂移動が生じる場合は,流体運動が場所的に急変するため,漂砂移動形態も海底微地形(水平床か?砂漣床か?)も場所的に変化する事が考えられる.このように海底微地形も含めて,種々の漂砂移動形態にまたがって漂砂移動現象をモデル化された研究はほとんどなく,それらの現象も解明されていない.また,漂砂移動現象自体も流体運動と海底微地形との相互干渉で決定される現象であるためそのモデル化も大きな問題点として在る. これらの観点から本年度の本研究では,水理実験により海底微地形の発達状態について検討し,種々の漂砂移動形態に適用できる漂砂移動現象のモデル化を行い,そのモデルの適用性を検討した.得られた結果を以下に示す.(1)砂漣の発達過程の実験結果から砂漣波長,砂漣波高は時間と伴に変化し,砂漣波長は数百波以上,砂漣波高は1000波以上でほぼ定常状態となる.(2)海底微地形を砂漣波長に関してスペクトル解析を行いその経時変化を調べると,造波後300波程度では種々の波長の砂漣が存在し,時間の経過と伴に卓越波長でスペクトルのピークが明確になることがわかった.(3)単相流モデルを用いて流体運動と漂砂運動と海底微地形の相互干渉を考慮した漂砂移動現象のモデルを構築した.
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