1999 Fiscal Year Annual Research Report
水表面に作用する風応力によって起こる気-水運動と気体輸送現象の可視化計測法の開発
Project/Area Number |
11750462
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Research Institution | Kinki University |
Principal Investigator |
竹原 幸生 近畿大学, 理工学部, 講師 (50216933)
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Keywords | 気体輸送 / 風波 / LIF / PTV |
Research Abstract |
風が水表面に作用することによって生じる風波発達初期に,水表面を通した気体輸送が促進されることが,これまでの実験,および現地計測結果から明らかとなっている。しかし,これまでの計測技術では,実際にどのように水表面を通して気体が輸送されるのかを明らかにするのは困難であった。今回は,レーザ励起蛍光法(LIF)を用いて直接炭酸ガスが水中へ溶入する過程を可視化する技術を関発した。また,この技術を用いて,風波発生時の炭酸ガスの溶入過程を直接可視化することに成功した。観察の結果,風波による水表面を通した炭酸ガスの溶入メカニズムは,非常に3次元性の高いものであり,これまで提案されているモデルとは全く違ったものであることが明らかとなった。 さらには風波による表面付近の流れ場の画像解析手法を検討した。ダブルパルスNd:YaGレーザーをシリンドリカルレンズにより、水底より照射し、砕波点の水表面近傍の画像を撮影した。トレーサーとしては50ミクロンのナイロン粒子(比重1.02)を用いた。撮影には、1008(H)×1018(V)画素のコリレーションCCDビデオカメラを用い、コンピュータ制御によりダブルパルスレーザーと同期して撮影した。ダブルパルスのディレイ間隔はマイクロ秒単位で制御でき、流れ場の速度に対応して決定する。撮影された2時刻の画像上の同一粒子の対応付けには申請者らが開発した粒子追跡速度計測法(Partile Tracking Velocimetry,PTV)であるSuper-Resolution KC法を用いた。計測の結果、表面近傍の微細な流れ構造を計測することができた。また,水表面での気体輸送を目的とした気流PTVのため,微小水滴トレーサーを大量に発生させる装置を開発し,気流の計測に成功した。
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[Publications] K.Takehara: "A hybrid correlation/Kalman filter/χ 2-test method of super resolution PIV"Proc.of the Third International Workshop on PIV'99. 163-169 (1999)
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[Publications] 竹原幸生: "風波による炭酸ガスの取り込み過程の可視化"海岸工学論文集. 第46巻. 101-105 (1999)
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[Publications] 竹原幸生: "KC法を用いた新しいSuper-Resolution PIVの提案"水工学論文集. 第44巻. 431-436 (2000)