1999 Fiscal Year Annual Research Report
SOLA-VOF法による潜提背後の洗掘現象に関する数値解析
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11750463
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Research Institution | Hachinohe National College of Technology |
Principal Investigator |
南 將人 八戸工業高等専門学校, 建設環境工学科, 助教授 (60280319)
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Keywords | 潜提 / 砕波 / 底面圧力 / 洗掘 / SOLA-VOF法 |
Research Abstract |
本研究は、潜提背後の砕波を伴った局所洗掘の現象解明を目的として、1)水理実験と2)数値計算モデルの構築の2つより構成される。水理実験では、開水路内に潜提模型を設置し、造波直後からその周辺の水位変化と流速場そして底面の圧力変化を測定した。水位測定は容量式波高計を、流速測定は中位浮子を用いて可視化し、その動きをビデオ撮影した画像を用いPTVによって流速ベクトルを算出した。また、圧力測定は、直径5mmの圧力センサーを水路底面に取りつけ、潜提岸側法先から約1波長分の底面圧力を5cmピッチで測定した。波浪諸元は、波形勾配0.04(Case1)と0.08(Case2)の2種類を設定した。底面圧力の変動をその位置での波高で無次元化すると、底面圧力の変動は、Case1で0.5、Case2で0.4となり周期の長い方で底面圧力の変動幅が大きい事が分かる。また、最低水位時の圧力をその全水深で無次元化した場合、Case1で0.9から1.0、Case2でほぼ1.0となっており、周期が長い場合静水圧より小さくなる事が分かった。潜提背後の水位変化と圧力変化を比べると、前者が破波に伴って激しく変動するのに対し、後者に変動は見られず、水面の振動による圧力変動は底面に達する前に分散されている。また、流速の解析結果により、水位上昇時の流速は沖向き、下降時は岸向きとなり、さらに底面付近の流れは水位上昇時の時が大きい事が分かった。以上の事より、砕波によって底面圧力は静水圧より小さくなる為に浮き上がり易く、砂は水位上昇時に大きく移動するものと考えられる。数値計算は、連続式とN.S.式によるモデルを構築し、今後、自由表面の変化を組み込む予定である。
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[Publications] 羽鳥やすこ: "潜提背後底面の圧力測定実験"平成11年度東北支部技術研究発表会講演概要. 152-153 (2000)
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[Publications] 竹林剛: "潜提周辺の流れ場の数値計算"平成11年度東北支部技術研究発表会講演概要. 188-189 (2000)
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[Publications] 南將人: "潜提天端幅と波高減衰に関する研究"東北地域災害科学研究. 第36巻. 247-252 (2000)