2000 Fiscal Year Annual Research Report
複雑な構造を持つ高速道路JCTにおける情報案内板の設計基準に関する研究-バーチャルリアリティシミュレーションによる室内実験システムの適用-
Project/Area Number |
11750475
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Research Institution | Osaka University |
Principal Investigator |
飯田 克弘 大阪大学, 工学研究科, 講師 (70222809)
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Keywords | 交通情報 / 交通管理 / 道路計画 / ジャンクション |
Research Abstract |
本研究では,ドライビングシミュレータを用いた室内実験により運転挙動データを収集し,現在垂水JCTで使用されている案内標識を評価するとともに,記号,文字高,色などの案内標識の構成要素を変更した場合の効果を分析した.ここで事前に被験者の属性を調査し,対象となるJCTの利用経験という属性によって,同程度のサンプル数を持つグループを構成し,グループごとの結果を比較することで,この属性が標識判読に及ぼす影響を把握した.また,事前情報の提供によってJCTの利用経験を疑似的に向上させることができるのではないかと考え,利用経験の無い被験者に,ホームページ上でJCT進入方向の動画を提示し,その結果を他のグループと比較することで効果を検証した.さらに案内標識に対する評価構造をAHPを適用することで表現し,その結果に基づき現状の標識と,それに対する代替案の総合的な評価を試みた. 得られた成果として,現状の標識と各代替案の比較および評価構造に基づく代替案の相対比較から,現状の標識には改良の余地があることが分かった.具体的には,できるだけ文字高を拡大するとともに,複雑なJCTの形状を表す矢印を付加することが有効であるとの知見を得た.また文字情報を補うピクトグラムについては,示す内容が一見して理解できるよう配慮することが重要であるという示唆を得た. また垂水JCTの利用経験が無いグループは利用経験が有るグループに対し,本研究で用いた評価指標のうち視認点と判読時間について悪い結果を示すこと,これがHPによる事前情報提供によって改善されることを確認した.この結果は,事前情報提供によって対象となるJCTの利用経験を疑似的に向上させうることの可能性を示しているが,これは今回対象とした複雑なJCTだけに限定されるものではなく,新しい道路インフラの導入を円滑にすることに対して活用することができる知見と考える.
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Research Products
(2 results)
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[Publications] 飯田克弘,窪田稔,森康男: "利用者属性の影響を考慮した複雑なJCTにおける案内標識の評価"土木計画学研究・講演集. No.22(3). 719-722 (2000)
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[Publications] 窪田稔,飯田克弘,森康男: "複雑なJCT案内標識の評価とHPによる事前情報提供の効果検証"土木学会第55回年次学術講演会講演概要集. 第4部. 700-701 (2000)