1999 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
11750477
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Research Institution | Hiroshima University |
Principal Investigator |
奥村 誠 広島大学, 工学部, 助教授 (00194514)
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Keywords | 交通需要管理 / 時差出勤 / フレックスタイム |
Research Abstract |
本研究は、スケジュールコストの増大や業務効率の低下、行動の柔軟性の低下などの損失を差し引いても、混雑緩和効果が大きいような交通需要管理施策を見いだすために、経済的評価の方法論を構築することを目的とする。さらに各個人への正負の影響を調べることにより、交通行動の変化が進むのかどうかを分析する方法論を確立する。具体的には時差出勤、フレックスタイムなどの時間的分散化施策を取り上げ、関連する主体の行動を整理した上でそれらの均衡状況を分析する。さらに、交通需要管理施策の目的を最大限実現する時間帯別の交通量を最適化問題として求解し、施策の強度、経済的効果の評価、主体別の便益変化を明らかにする。 1年目に当たる本年度は、以下のような内容を研究した。 1.時刻選択行動モデルと動的ネットワーク理論の整理 出勤時の出発時刻の選択行動に関する交通行動分析の研究、動的ネットワーク分析の理論の既存研究をレビューし、各主体の行動方程式の表現方法を整理した。 2.一斉始業時刻下での出発時刻分布の算出と評価 都市内の全ての就業者の始業時刻が1点に固定されているケースを取り上げる。この場合でも始業時刻間際ほど混雑が激しいため、それを避けて自主的に早く出発する行動が発生する。大都市の鉄道通勤を取り上げ、通勤者の消費者余剰を算定した。 3.労働時間の一致度が業務活動の効率性に与える影響の検討 企業内あるいは他の企業との連絡をする上では、労働時間帯の一致度が高いほど効率的に業務を行うことができる。企業間の業務トリップの時刻別の分布状況を分析することにより、このような時間的集積の経済性の大きさを算出した。
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[Publications] 吉村 充功: "都市内業務トリップにおける時間的集積の経済性"都市計画論文集. 34. 217-222 (1999)
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[Publications] 吉村 充功: "ダイナミカルシステム論による鉄道出勤パターンの分析"土木計画学研究・講演集. 22(1). 363-366 (1999)
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[Publications] 奥村 誠: "平休日の生活時間評価構造に関する研究"土木計画学研究・論文集. 16. 181-186 (1999)