1999 Fiscal Year Annual Research Report
GTOPO30と既存の河道網データを利用した全球落水線モデルの開発と公開
Project/Area Number |
11750487
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
越智 士郎 東京大学, 生産技術研究所, 助手 (80251081)
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Keywords | DEM / 落水線図 / GTOPO30 / 流域 / 河道網 |
Research Abstract |
メッシュデータの各メッシュに流水線方向を持たせた水系モデルは落水線図(落水線モデル)とも呼ばれ、流域(水系)の抽出、分析、洪水解析、地形解析などデジタル地形モデルとして重要な情報ソースとなる。一般に落水線モデルを作成するには数値標高データ(DEM)を利用して、最急勾配方向に落水線方向を定める方法が採用されているが、DEM作成時のエラーやDEMの解像度の制約により、落水線方向に無限ループが生じたり、不自然な形状の疑似河道が形成されるなど、様々な不都合が生じ、手作業による修正作業が伴っていた。 今年度、本研究で開発したアルゴリズムでは、デジタイズした河道網データが教師データとなり落水線モデルが作成されるため、自動生成される疑似河道網は現実により近い形状として再現でき、手作業による修正作業もほとんど必要とならない。本研究では米国地理調査局(USGS)と作成した30秒メッシュの数値標高データ(GTOPO30)と、米国画像地図局(NIMA)が配布する地図情報(DCW)に含まれる河道網図を利用して、30秒メッシュでアジア地域(東経50゜〜180゜、北緯0゜〜80゜、15,600カラム×9,600ライン)の落水線モデルを作成した。教師データとなる河道網が正しくデジタイズされている地域では、良い精度で落水線モデルが作成され、開発したアルゴリズムの実用性が示された。本アルゴリズムは、メッシュサイズに依存せず、グローバルスケールだけでなく、数メートルのメッシュサイズでローカルスケールにも対応可能である。来年度は、他の大陸域でもデータを作成し、水資源モデルへの展開を行う。
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[Publications] 越智士郎、柴崎亮介: "DEM(GTOPO30)とDCWを用いた落水線作成・アルゴリズムの開発"日本写真測量学会誌「写真測量とリモートセンシング」. 38・3. 60-68 (1999)
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[Publications] 越智士郎: "世界の主要河川流域における土地被覆の特徴とその変動"日本写真測量学会平成11年度秋季学術講演会論文集. 9-12 (1999)
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[Publications] Ochi.S, and Shibasaki.R: "Development of Drain Direction Model based on GTOPO30 and Global Data Sets"International Archives of Photogrammetry and Remote Sensing. 32・w1. 1.7.1-1.7.6 (1999)
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[Publications] 越智士郎: "地理情報システムを利用したメコン川流域環境の監視と管理"京都大学生態学研究センター「エコフロンティア」. 3. 33-41 (1999)