1999 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
11750494
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Research Institution | University of Shizuoka |
Principal Investigator |
宮田 直幸 静岡県立大学, 環境科学研修所, 助手 (20285191)
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Keywords | スカム / 活性汚泥法 / Gordona(Nocardia)amarae / ミコール酸 / ポリクロナール抗体 / 免疫蛍光法 / 免疫磁気ビーズ法 |
Research Abstract |
本研究では、活性汚泥やスカムにおける原因菌の挙動解析を行うことを目的として、免疫蛍光法を用いたミコール酸含有菌の特異的な検出について検討した。以前に取得した抗Gordona amaraeミコール酸(平均炭素数52.0)ポリクロナール抗体は、G.amaraeをはじめとするRhodococcus属、Mycobacterium属等種々のミコール酸含有菌と結合したが、ミコール酸非含有菌(一般的なグラム陽・陰性菌)とはほとんど結合しなかった。本抗体を用いた免疫蛍光法によって、純粋培養した各種ミコール酸含有菌の蛍光標識が可能であった。さらに、ミコール酸含有菌と非含有菌との混合液、またミコール酸含有菌と活性汚泥(当研究室で馴養したもの)との混合液においても、ミコール酸含有菌のみが標識され、標的菌体を特異的に検出できることが示された。スカムが発生している実下水処理施設より活性汚泥及びスカムを採取し、本法を適用したところ、形態学的にG.amaraeと推察される糸状菌が蛍光標識された。しかし、それ以外にも標識された非糸状菌が多数認められ、スカム中には複数種のミコール酸含有菌が増殖しているものと推察された。スカム原因菌の挙動を解析する上でこれら検出菌体を回収し、性状を解析することが有用であると考え、最後に、免疫磁気ビーズによるミコール酸含有菌の回収法について基礎的検討を加えた。G.amarae培養菌体(10^5 CFU/ml)の回収試験を行ったところ、60%程度の回収率が得られ、免疫磁気ビーズ法により活性汚泥やスカムからミコール酸含有菌を回収できることが示唆された。
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