1999 Fiscal Year Annual Research Report
複合構造柱梁接合部における応力伝達に及ぼす諸要因の影響
Project/Area Number |
11750498
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Research Institution | Hokkaido University |
Principal Investigator |
北野 敦則 北海道大学, 大学院・工学研究科, 助手 (80250471)
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Keywords | SRC造 / 柱梁接合部 / せん断耐力 / コンクリート強度 / 直交フランジ / 柱幅 |
Research Abstract |
鉄骨鉄筋コンクリート(以下SRC)造は耐力および変形性能において鉄骨造やRC造に優っており,中高層や大スパンの建築物に多く用いられてきた。しかし,1995年の兵庫県南部地震において初めてSRC造柱梁接合部の剪断破壊が報告され,性能規定に移行しつつある現在,より詳細な柱梁接合部の性能評価が必要となってきている。また近年,鋼とコンクリートによる新しい構造形式が提案されているが,柱梁接合部において,例えば柱RC梁S構造のように柱梁接合部が鉄骨と鉄筋コンクリートで構成される合成構造の設計には,日本建築学会(以下AIJ)のSRC規準式を用いること多いのが現状である。しかし,筆者らは過去にSRC造柱梁接合部の実験を行い,現行のAIJ規準式の不適合性を指摘してきた。SRC造柱梁接合部における応力伝達機構の解明を目的として,データーベースを元に筆者らが提案した終局剪断耐力修正式により未解明の諸要因に対する適合性を実験的に検討を行った。試験体は平面十字形とし,実験変数は直交フランジ厚,柱鉄骨等価H断面化,コンクリート強度,柱幅とし,計4体制作した。加力は変位漸増繰り返し加力とし,実験の結果以下の知見を得た。全試験体とも接合部せん断破壊した。鉄骨の直交フランジが厚くなると修正式では耐力を若干過小に評価する。修正式上で耐力が等しくなるように直交フランジ断面積を接合部ウェブに集中させた試験体(柱鉄骨等価断面H断面化)から,修正式の直交フランジ低減係数の妥当性が確認できた。柱幅を変数とした実験体から,柱直交フランジがコンクリート梁幅より遠くに位置しても,梁幅より近くにある場合と同等のせん断力を負担している。高強度コンクリートを用いた場合には,AIJ規準式のコンクリートせん断強度式は過小に評価し,修正式では過大に評価する傾向がある。
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