1999 Fiscal Year Annual Research Report
中断面集成材を用いた耐震的かつ開放的な新しい木造軸組住宅構法の開発
Project/Area Number |
11750499
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Research Institution | Tohoku University |
Principal Investigator |
板垣 直行 東北大学, 大学院・工学研究科, 助手 (00271891)
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Keywords | 中断面集成材 / 耐震性 / 木造軸組構法 / 住宅架構 / 金物接合 / 引きボトル型接合 |
Research Abstract |
本年度は以下の2点を主要なテーマとして研究を行った。 1.住宅架構モデルの作製 住宅の間取りのヴァリエーションについてケーススタディを行い、居住空間を合理的に可変するために有効な空間のモジュールを検討した。これより5,400mm (3間)を基本モジュールに設定し、それらのグリッドを基本とした住宅プランに対応する合理的な住宅架構モデルを作製した。またその際に部材の断面寸法及び接合形式の統一化を図り、効率的に架構を構成する方法を検討した。 2.耐力及び剛性を高める接合方法の開発 既存の接合方法における、柱-梁接合部、柱脚接合部についてそれぞれ資料を収集し、データベース化すると共に、力学的特性、施工性、コスト等を分析し、その接合システム及び性能について分類した。これらの分析結果に基づき、提案した住宅架構モデルの接合部に必要とされる性能に対応する接合方法を検討し、新たな引きボトル型の接合部を、柱-梁接合部、柱脚接合部、それぞれについて設計した。更にこれらについて実大接合部を作製し、静的加力実験を行って、耐力、剛性、破壊形態等の力学的性能を評価すると共に、応力伝達要素及び抵抗要素が設計意図通りに働いているかどうか検討した。その結果、開発した引きボトル型接合では、高い剛性は得られるものの、ボトルの破断や木材の割裂により脆性的に破壊が生じやすく、これらを抑制するためのエネルギーを吸収システムが必要であることが明らかになった。
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