1999 Fiscal Year Annual Research Report
地震動の単純化により震源から構造物に至る要因を考慮した地震動を簡便に評価する方法
Project/Area Number |
11750500
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
境 有紀 東京大学, 地震研究所, 助手 (10235129)
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Keywords | 強震動予測 / 単純化 / 地動最大加速度 / 周波数特性 / 震源モデル / 伝搬経路 / 表層地盤 / 必要耐力スペクトル |
Research Abstract |
今年度は地震動をサイン波1波に単純化する方法の検討、その単純化と従来の距離減衰式を用いて岩盤サイトにおける強震動を予測する方法および震源近傍の強震動を、設計に適用できるような簡便な形で予測する開発を行った。岩盤サイト以外のサイトの地震動、即ち、表層地盤の増幅特性の、地震動の単純化を通しての評価法も現在検討中である。 まず、地震動をサイン波1波に単純化する方法については、単純化するサイン波の繰り返し回数は、弾塑性応答を考えればその塑性化に伴う周期の伸び、等価粘性減衰により、1サイクルで十分であることを示し、加速度振幅を地震動の地動最大加速度とし、周期を弾性加速度スペクトルの差が最も小さくなるように決めれば、地震動と単純化したサイン波1波の弾塑性スペクトル、即ち、塑性率がある一定値に収まる必要耐力スペクトルを平均して15%以内の誤差で求めることができることがわかった。 地震動の単純化と従来の距離減衰式を用いて岩盤サイトにおける地震動を予測する方法については、地動最大加速度に既往の距離減衰式を用い、サイン波1波の周期についても距離減衰式と同様の方法で、マグニチュードと震源距離の関数で表現できることがわかった。 震源近傍の強震動を設計に適用できるような簡便な形で予測する方法については、震源モデルのアスペリティを、設計する構造物が建設される地点における地震動が最もきびしくなるように決める、という工学的な考えに基づき、できるだけ震源モデルそのものは単純化して、予測する方法を開発した。
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