1999 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
11750502
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
宮崎 明美 東京大学, 生産技術研究所, 助手 (40228185)
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Keywords | 波動伝播実験 / スペースフレーム / 波動伝播特性 / 空間構造 / 振動特性 |
Research Abstract |
近年、ドームなどに代表される空間構造物(スペースフレーム)の建設が相次いでいる。スペースフレームはねその形状から水平方向の振動に対して比較的安全ではあるが、災害時に避難場所として利用される可能性を考えると、その安全性の確認は極めて重要である。また、1995年の兵庫県南部地震での建築物の衝撃的破壊現象は、これまでの振動解析からは予想できない破壊現象であり、動特性を把握する上で新たな観点が求められている。 本研究の目的は、スペースフレームの動特性を把握する手段のひとつとして、波動論的考え方を導入することにある。振動論のみでは説明が困難な現象を、波動伝播を考慮して説明し、さらに、波動伝播的見地から構造物のもつパッシブな減衰特性を定性的に把握することにある。 本年度は、部材配置パターンが異なる数種類のスペースフレームの試験体を作製し、インパクトハンマーによる打撃実験を行った。試験体は、実験の測定精度を考え、伝播速度が比較的遅いアクリル製(縦波の位相速度において、鉄:アクリル=4:1)とした。経費の大半は、実験用の測定機器の購入に充てられた。打撃実験は各試験体の中央点を垂直下向きに打撃することによって行った。実験結果より、以下の知見を得た。 ・波動伝播特性は局部剛性に大きく依存していることが確認された。 ・梁のせん断波速度を波頭の速度と仮定し、伝播経路に沿って求めた反射波の到達時刻は、実験とよく合うことがわかった。 ・位相と距離減衰の特性より、ラチス平板は梁の波動伝播特性を示すことが確認された。 ・周波数特性として、構成部材の部材長の短い試験体ほど卓越振動数の個数が多いことを確認した。
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Research Products
(3 results)
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[Publications] Akemi Nishida,Peng Liu,Ken-ichi Kawaguchi: "Wave Propagation Tests of Single Layer Lattice Structures"Proc. of 3rd International Conference on SHOCK & IMPACT LOADS ON STRUCTURES. 343-350 (1999)
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[Publications] 劉鵬、西田明美、川口健一: "単層ラチス構造物の波動伝播実験-その1 予備実験-"日本建築学会大会学術講演梗概集(中国)構造I. 917-918 (1999)
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[Publications] 劉鵬、西田明美、川口健一: "ラチス構造物の波動伝播特性-片持ち梁の波動伝播実験-"平成11年度京都大学防災研究所共同研究集会論文集:シュル・空間構造の耐震・耐風、耐雪・耐火を考えた性能設計と解析. 163-166 (1999)