1999 Fiscal Year Annual Research Report
車椅子のすべりからみた床および舗装路の相対的評価方法
Project/Area Number |
11750503
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Research Institution | Tokyo Institute of Technology |
Principal Investigator |
高橋 宏樹 東京工業大学, 工学部, 助手 (60226876)
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Keywords | 車椅子 / 直進走行性 / 相対的評価方法 / 床のすべり |
Research Abstract |
本年度の成果として車椅子と,斜路を含む床の間のすべりの安全性の程度の尺度化を行った結果を報告する。 まず,官能検査手法を用いて,すべりの観点からの走行時の安全性の程度に関する人間の判断を抽出した。具体的には,検査の要領は以下の通りである。幅広いすべりの程度をもつ試料を選定し,傾斜を持たせて設定し,検査試料とした。傾斜角度は建築内外で存在する斜路の程度を含む範囲で水平を含む5段階を設定した。これらの検査試料上を,健常な成人男女に車椅子で走行させ、斜路を上る場合,下る場合のそれぞれについて検査試料が車椅子操作時にどの程度安全かを判断範ちゅうを用いて解答させた。 以上の官能検査の結果得られた解答を基礎資料として分散分析を行い,主効果が有意で試料に有意な差があることが明らかとなったこと,個人差は有意であるが,寄与率の値が主効果の場合と比較して極めて小さいため、検査員には共通な判断基準があることが明確で大きな問題はないことから,尺度構成理論に基づき、斜路を上る場合,下る場合のそれぞれについてすべり評価尺度を構成した。 さらに,構成したすべり評価尺度について検討を行ったところ,上り,下りの場合とも,傾斜角度が小さいほど安全と判断されていること,下りの場合には安全性の評価の中間領域において同一試料に対して下りの場合に上りの場合と比較してより危険と判断していることが明らかとなった。 以上,車椅子と床の間のすべりの安全性の程度の尺度化を行った結果について報告した。
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