1999 Fiscal Year Annual Research Report
高層立体骨組構造物の激震時臨界挙動の解明とそれに基づく耐震性能指標の提示
Project/Area Number |
11750515
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Research Institution | Kansai University |
Principal Investigator |
桝井 健 関西大学, 工学部, 助手 (60263109)
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Keywords | 構面内挙動限界 / 立体骨組 / 繰り返し載荷 / 有限要素法 / 臨界挙動 |
Research Abstract |
本年度に得られた研究実績は以下の通りである。 (1)構面内挙動限界理論の立体骨組構造物への拡張 立体骨組構造物は終局時には、構面外変形やねじれ変形といった3次元的変形が連成した複雑な挙動を示す。このような複雑な挙動を扱う有力な手段として有限要素法がある。3次元空間内の大たわみ挙動が扱え、せん断及びねじれに伴うそり変形を、断面の一部の塑性化による性能変化の影響も含めて精度よく取り扱える高精度3次元非線形解析法が、有限要素法に基づいてすでに単一部材に対して開発済みである。この解析法を立体骨組構造物に適用できるように改修した。さらに、これを基礎とした構面内挙動限界解析法を展開した。 (2)一層立体骨組モデルについての理論解析 最も単純な立体骨組として、桁行方向・スパン方向それぞれ1スパンの一層立体骨組モデルを対象とし、スパン方向に繰返し両振り横変位が作用する場合について、限界解析を実行することによって、その臨界点を理論的に予測した。予測結果に対応する履歴挙動解析を実行し、繰り返し横変位載荷時の立体骨組構造物の臨界挙動の特性を定量的に把握した。 (3)一層立体骨組モデルに対する繰り返し載荷実験 一層立体骨組モデルに対する繰り返し載荷実験を行った。理論解析で予測された振幅以下では収束挙動を示し、予測振幅以上では構面外への変形が大きく発生し、やがて崩壊に至ることが確認された。この結果は理論解析結果と非常によい精度で整合しており、理論の妥当性を確認することができた。
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