2000 Fiscal Year Annual Research Report
住宅における環境負荷低減のためのライフスタイルのあり方に関する基礎的研究
Project/Area Number |
11750522
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Research Institution | Shinshu University |
Principal Investigator |
長谷川 兼一 信州大学, 工学部, 助手 (50293494)
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Keywords | 戸建て住宅 / 環境負荷 / ライフスタイル / 断熱気密化 / 暖房用エネルギー消費量 |
Research Abstract |
本研究は居住者のライフスタイルの見直しにより,どの程度,住宅が与える環境負荷への低減が見込めるかを検討することを目的とし,(1)長野県内の断熱気密住宅を対象としたアンケート調査・実測調査を通じて,住宅のエネルギー消費構造ならびに居住者の意識を把握する,(2)居住者のライフスタイルが環境負荷へどの程度影響を与えるかについて数値計算により検討する,ことを検討事項として挙げた。 (1)については今年度に実施した追加調査により,100件の住宅に関する環境データを収集することができた。得られたデータを基にして断熱気密住宅のエネルギー消費構造について,新に多変量解析による要因分析を実施した結果,設定室温がエネルギー消費量の大小に寄与していることが明らかとなった。この知見は,前年度の検討結果を裏付けることとなるとともに,実際の居住環境におけるデータをもとにした結果であるためたいへん興味深い。 次に,(2)においては数値計算により,どの程度の環境負荷底減が可能となるかについて検討を行い,単に住宅のシェルター性能のみを高めるだけでは顕著な効果は認められず,冬期であれば暖房設定温度を下げるなどの,住まい手側の余分なエネルギーを使わない配慮が求められることが示された。しかし,住宅のエネルギー消費を化石エネルギーのみに頼る限りは,我が国に求められている環境負荷低減につながらないため,自然エネルギー利用を積極的に進めることが望ましい。
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[Publications] 長谷川兼一: "長野市を中心とした戸建住宅の居住環境データベースの活用-断熱気密住宅におけるエネルギー消費量の実態-"日本建築学会計画系論文集. 第521号. 95-101 (1999)
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[Publications] 長谷川兼一: "住宅の熱環境設計のためのデータベース活用に関する考察-長野市を中心とした戸建住宅における室内温熱環境データベースを用いて-"日本建築学会技術報告集. 第8号. 133-136 (1999)
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[Publications] 長谷川兼一: "断熱気密住宅における気密性能と温熱環境の特性に関する考察-長野市を中心とした戸建住宅の温熱環境データベースを用いた考察-"日本建築学会計画系論文集. 第536号. 29-34 (2000)
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[Publications] 長谷川兼一: "長野市内に建設された低負荷型住居の省エネルギー性に関する研究 その1 建物の概要,計測の概要,暖房負荷の試算について"日本建築学会学術講演梗概集. 465-466 (2000)