1999 Fiscal Year Annual Research Report
太陽エネルギーによるエネルギー自立型住宅の提案-コンピュータシミュレーションによる検討-
Project/Area Number |
11750527
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Research Institution | Nagoya City University |
Principal Investigator |
森本 美香 名古屋市立大学, 芸術工学部, 助手 (70295624)
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Keywords | ハイブリッドコレクター / 太陽電池 / 平板型集熱器 / シミュレーション / TRNSYS / ヒートポンプ / 冷暖房負荷 / 気象データ |
Research Abstract |
現在までに、太陽光/熱ハイブリッドコレクタの夏期予備実験及び冬期本実験を行い、データの解析を行なった。これにより、夏期実験では早朝と夕方に直達日射の入射角度が大きいことによる発電効率の低下を、また日中に太陽電池セルの温度上昇による発電効率の低下を確認し、冬期実験では外気風速が発電/集熱性能に及ぼす影響が極めて大きいことを確認した。これらの実験で得られた知見から太陽光入射角度による日射透過率への影響、外気風速による外気側対流熱伝達率への影響等に配慮したハイブリッドコレクタのシミュレーションモデルを構築した。モデルは動的シミュレーションプログラムTRNSYSで利用可能なFORTRAN90サブルーチンとし、その結果、実測結果の±5%以内という高い精度で集熱及び発電性能を再現することが可能となった。更にシミュレーションにより太陽電池パネルとハイブリッドコレクタとの性能比較を行った結果、外気に完全にさらされている状況での太陽電池パネルの発電性能はハイブリッドコレクタと同程度であり、集熱利用が可能な点でハイブリッドコレクタが有効であることを確認した。例えば集熱空気を空気熱源ヒートポンプの熱源として利用すると仮定した場合、ヒートポンプのCOPが117%と向上しハイブリッド利用が有効であると考えられた。 現在、他タイプのハイブリッドコレクタ(太陽光透過型太陽電池モジュールを使用したもの、アモルファス薄膜型モジュールを使用したもの等)モデルを構築し、先に検討したタイプとの性能比較を行っている。また来年度はTRNSYSによる戸建住宅のシステムシミュレーションを実施し、実用性の検討、地域性の検討等を行っていく予定である。
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