1999 Fiscal Year Annual Research Report
住宅分野における地域特性を考慮したCO_2排出削減策の導入計画と評価に関する研究
Project/Area Number |
11750528
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Research Institution | Tohoku University of Art and Design |
Principal Investigator |
三浦 秀一 東北芸術工科大学, デザイン工学部, 助教授 (00244997)
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Keywords | 住宅 / 都道府県 / CO_2 / 将来予測 / 対策 |
Research Abstract |
本年度は住宅分野におけるCO_2排出量の現状把握と将来予測を行った。 まず、1997年における全国レベルでのCO_2排出状況を都道府県を単位として明らかにした。都道府県別エネルギー源別の消費量を各種統計資料をもとに求め、各エネルギー源別にCO_2排出係数を乗じることによって算出した。また、戸建住宅か集合住宅別の排出量についても算出している。これらの結果について、都道府県別のCO_2排出総量として、そして人口一人当たりの排出量として比較した。大都市部では集合住宅が占める割合も高いが、地方都市では戸建住宅の占める割合が非常に高いこと等が明らかになった。 次に都道府県別に1990年以降の排出量増加要因を、人口増による世帯数の増加と世帯人員減による世帯数の増加、世帯当たりの排出原単位の増加の3つに分けて分析した。全国では実質原単位増による増加分が最も多く64%、世帯人員減に関わる世帯数増による増分が25%、人口増に関わる世帯数増による増分が9%になる。また、都道府県別による特徴も明らかにした。 さらに、これらの結果から2010年での排出量を二つのシナリオに分けて予測した。ケース1では世帯人員の減少を加味し実質世帯当たり原単位を1997年水準に維持されると想定したものを、ケース2では各都道府県別世帯当たり原単位が1998年以降は1990年〜1997年の年平均増加率の50%に低下すると想定したものを算出した。ケース1でも、1998年以降年率0.5%の水準で増加し続け、2010年には1990年の31%増となる。ケース2の場合では、1998年以降年率1.7%の水準で増加し続け、2010年には51%増となる。 以上のように、現状のまま推移すると各地域とも相当量の排出増が予想されることが明らかになったので、来年度は具体的な対策を検討し、導入効果を算出する。
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