1999 Fiscal Year Annual Research Report
土地に刻まれた歴史からみた佐賀干拓平野の開発・居住システムに関する研究
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11750540
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Research Institution | Saga University |
Principal Investigator |
後藤 隆太郎 佐賀大学, 理工学部, 助手 (00284612)
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Keywords | 集住地形成 / 土地形成 / 集住の空間的・社会的条件 / 集住地の神社 / 佐賀干拓平野 |
Research Abstract |
1:かつての土地形態を把握するために、ほ場整備事業前の従前地形図の収集と整理を行った。 対象は主に有明海の湾奥部一帯(佐賀市、川副町,東与賀町、千代田町など)であり、主に1,000分の1地形図を約450枚収集し、画像のデジタルデータ化を行った。 それらの整理の結果、かつての土地形態は土地形成の痕跡を示していると考えられ、ほ場整備事業によって大きく土地形態は改変しているが、その改変はかつての土地のまとまり毎に行われていること、などがわかった。 2:居住地の空間的・社会的条件として、集住地の核である神社についての調査分析を行った。 調査は、山麓から海岸までの佐賀市、川副町、東与賀町の形態の明確な集住地240を取り上げ、(1)集住地の神社の抽出、集住地形態の類型、その立地分布について、(2)それぞれの神社を対象に、集住地における位置、神社の向き(遙拝の向き)、要素からみた神社の空間構成、について行った。 集住地の神社は多様な様相を呈しているが、今回の調査分析の結果から、一つには神社が集住地の北端(山側)に立地し、北向きにあり、鎮守の森を持ち、神社境内には神社に関わる要素のみが見られるもの。いま一つには、神社が集住地の中央部に位置し、森を持たず、公民館や公園などの集住地施設があるもの、といった特微的な2つの特質を見いだすことができた。そして、前者は山側に、後者は海側に多いと言える傾向を示しており、多様な神社の様相はこれら2つの特質のバランスによって成り立っているのではないかと考えることができた。
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Research Products
(2 results)