沖縄における地域工務店の木造住宅生産構造に関する研究

1999 Fiscal Year Annual Research Report

• Project/Area Number: 11750542
• Research Institution: University of the Ryukyus
• Principal Investigator: 田上 健一 琉球大学, 工学部, 助手 (50284956)
• Keywords: 木造住宅 / 生産 / 地域工務店 / 沖縄 / 木造住宅振興策

Research Abstract

沖縄では戸建住宅の大部分が鉄筋コンクリート造で建設されている。しかし、環境負荷の小さい木造住宅の生産に関わる工務店についての現状把握と木造住宅生産の可能性の検討はこれまで皆無であった。本研究は、地域経済の基幹産業の一つである住宅産業の中の地域工務店を対象として、木造住宅生産の概要把握と地域工務店の木造住宅生産体制の実態を明らかにすることを目的としている。
これまでに、建築着工統計・事業所統計・住宅金融公庫資料などにより統計資料を収集し、地域住宅生産の実態調査である工務店アンケート調査、設計事務所ヒアリング調査を行った。統計資料では、木造住宅着工件数は極めて少数であるが、増加の傾向にあることが分かった。しかし、これは沖縄県外の施工業者によるものが殆どで、地域工務店はその役割を担っていない。
また、木造を取り扱う工務店もかなり限定されるが、ヒアリングからは木造住宅を取り扱っていない工務店からも発展的な意見が数多く出され、木造住宅に対して否定的な見解を持ち得てはいないことが明らかになった。ここで問題となったのは適正技術を持った職人の不在である。
さらに、既存の木造住宅振興策や職人育成のための制度などについて各種行政機関、財団法人に対して調査を行った。
次年度はこれらを受けて、木造住宅建築資材の使用・生産・流通調査を行うと同時に、木造住宅振興策職人育成などの制度的な側面からもその可能性を検討し、具体的な施策のあり方を提案したい。