1999 Fiscal Year Annual Research Report
主体の生活史や生活世界からみたまちづくりに関する研究
Project/Area Number |
11750545
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Research Institution | Hokkaido Institute of Technology |
Principal Investigator |
倉原 宗孝 北海道工業大学, 工学部, 助教授 (70244837)
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Keywords | まちづくり / 住民 / 参加 / 主体 / 生活史 / 生活世界 / ライフヒストリー / 生活者 |
Research Abstract |
本研究では「まちづくり」に関わる「主体(生活者)」の意識・行動の意味や意義、人間形成や自己実現のあり方をライフヒストリー及び生活世界の視点から分析する。今回は2年間(平成11〜12年度)の研究の1年目である。研究方法で当初掲げていた<先進事例の調査・分析><アクションを仕掛けつつ参与観察者として調査・分析>の2つのアプローチから研究を進めている。具体的対象として、美幌町、上富良野町、帯広市、釧路町、岩見沢市、等の独自のまちづくりの観察調査、活動への参加・参画、関わる主体へのヒヤリングを進めている。これらは既存情報とともに、自らアクションを仕掛けつつ参与観察を進める上で条件の整うものを取り上げている。 本研究では、調査対象とする主体が自らの内面世界を含めた情報をどれだけ提供してくれるかが重要となりまた難しい点でもある。これは個人の性格やおかれた状況により異なる。その為、各まちづくりの活動に極力参加する等、タイミングを合わせる、調査機会を可能な限り増やす等の努力をしてきた。また本研究へのアドバイスを得る為に、住民主体のまちづくりの先進地である神戸市真野地区への現地調査・ヒヤリング調査も行った。 その中で、帯広市、岩見沢市、上富良野町の対象については、関わる主体の幼少期の経験も含めた総合的な情報の収集と、また互いに共感し合う状況を持ちつつある。また現在の活動においても、共に参画する中で状況を共感しながら、本研究に向けた情報をすくい上げている。一方、美幌町、釧路町の事例においては、ある程度の情報をすくい上げている段階だが、調査対象とする主体の社会的状況により、今後別の調査展開も必要かも知れない。いずれの事例においても、今後、さらなる情報の拡充と整理・分析に向かう。また、次年度での新たな調査対象の拡大も検討する。その中で、最終的な成果創造に向かいたい。
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