1999 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
11750569
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Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
森戸 茂一 京都大学, 大学院・工学研究科, 助手 (00301242)
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Keywords | 相変態 / レンズ状マルテンサイト / 薄板状マルテンサイト / マルテンサイト変態 |
Research Abstract |
今年度は低温ステージを使用した光学顕微鏡観察及び透過型電子顕微鏡を用いて、薄板状マルテンサイトを核とし各温度で応力をかけて成長させたマルテンサイト及び各温度での応力誘起マルテンサイトの成長過程及び結晶方位関係を調べた。その結果、鉄系マルテンサイトの形態変化の研究で以下の点を明らかにした。 1.液体窒素温度で生成した薄板状マルテンサイトを各種温度で応力をかけ成長させたところ、110K以上ではレンズ状に成長することが分かった。この成長したマルテンサイトの内部組織はレンズマルテンサイトと同じく転位で構成されていた。 2.マルテンサイトの結晶方位関係は成長過程に関係なくレンズ状マルテンサイトではG-Tの方位関係に近く、薄板状マルテンサイトではNの方位関係に近いことが分かった。 3.応力誘起マルテンサイトの光学顕微鏡によるその場観察を行ったところ、最初に薄板状マルテンサイトが現れた後にレンズ状に成長していることが分かった。 従来、レンズマルテンサイトと薄板状マルテンサイトは内部組織及び形態が異なるためそれぞれ区別されていた。しかし、本実験で現れた薄板状マルテンサイトを核として現れたレンズ状マルテンサイトは、周縁部がレンズマルテンサイトの成長部に当たり、核となった薄板状マルテンサイトはレンズマルテンサイトのミドリブと同じと考えられることから、薄板状マルテンサイトとレンズマルテンサイトは基は同じであり成長が異なるものと考えられる。
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