1999 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
11750572
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Research Institution | Okayama University |
Principal Investigator |
竹元 嘉利 岡山大学, 工学部, 助手 (60216942)
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Keywords | 加工硬化 / チタン合金 / 相変態 / オメガ相 / 転位 / 集中すべり / 電子顕微鏡 |
Research Abstract |
変形によって加工硬化しない合金としてTi-20mass%Mo合金を用い,これを真空中1223Kから焼入れを行った.まず,本合金の機械的性質を調べるため195〜723Kでの引張試験を行い,高温では加工硬化を示すことを明らかとした.各温度で引張破断した試料を光顕およびTEM観察を行った結果,195K〜室温変形の転位組織は直線的な転位がバンド状に集中しているところと,全く存在しないところに分けられ,転位の絡み合いは認められなかった.一方,高温変形では転位密度が均一になり,転位同士の絡み合いが認められた. 室温における流動応力を調べるため,引張塑性変形後,再研磨を繰返す引張試験の結果,加工が進んでも流動応力にほとんど変化が認められないことがわかった.また引張試験前に予備圧延を施した試料では,降伏強度に多少の増加は見られたが,全体に焼入れ材と変わらない変形挙動をとることがわかった. 圧延に伴う硬さの変化を調べた結果,多少硬さの増加は認められたが,一般のFe等の材料と比較すると硬化量が少ないといえる.しかし,試料の作製条件などによって結果が異なるため,更に検討を行う必要がある. TEMによる引張変形の動的観察を行った結果,電子線回折により引張前には母相の他に不整合ω相が存在するが,引張を行うと不整合から整合ω相へ構造変化することが明らかとなった.特にクラックの先端部など応力が集中する箇所では顕著で,そのような所ではω相の兄弟晶が単一なものに揃っており,且つバンド領域を形成していることを見いだした.この単一整合ωバンドが変形後の転位の集中したバンドと非常に類似しており,現在その因果関係について鋭意検討を行っている.そのためにはTEMによる動的観察を更に進める必要があり,荷重測定が可能な引張試料ホルダーを本年度作製し実験に供した.単結晶作製装置もほぼ完成したところである.
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Research Products
(1 results)