1999 Fiscal Year Annual Research Report
新しい正二十面体準結晶合金の創製と多彩な伝導現象の実現
Project/Area Number |
11750576
|
Research Institution | Tokyo University of Science |
Principal Investigator |
田村 隆治 東京理科大学, 基礎工学部, 助手 (50307708)
|
Keywords | 準結晶 |
Research Abstract |
ハフニウム系合金において、第2、第3元素として遷移金属を添加することにより、新しい正20面体準結晶を開発することを本年度の研究目標とした。 第2元素としては、オスミウムを、第3元素としては、イットリウム、パラディウム、銅を添加することにより、正20面体準結晶の開発を試みた。第2添加元素としてオスミウムを選定した理由は、ハフニウム-オスミウム系合金で、正20面体クラスターから構成されるC14ラーベス相が生成し、この合金系では準結晶の形成能が高いと考えられることによる。上述の合金系において、様々な仕込み組成で原料粉末を調合し、アーク溶解により母合金を作製した。得られた母合金を切り出して、液体急冷単ロール法により急冷し、リボン状試料を得た。一般に急冷試料の方が、熱処理試料より準結晶形成能が高いことから、探索は専ら急冷試料において行った。正20面体準結晶の探索には、粉末X線回折及び電子線回折測定を行った。 添加第3元素をパラディウム、銅としたときに、1/1近似結晶(準結晶と同じ局所構造を有する結晶相で12Å程度の格子定数を有する)の生成が確認された。このことは、ハフニウム系において準結晶が生成する可能性が強いことを端的に示唆している。しかしながら、現在までのところ、いずれの合金系においても、準結晶相は確認されておらず、今後、仕込み組成等、条件を変えて探索を行う予定である。さらに、今後、1/1近似結晶についても開発・研究をすすめ、それの単相化を行い、電気物性を調べていく予定である。
|