1999 Fiscal Year Annual Research Report
ガラス転移温度以下におけるガラスの緩和機構におよぼす水分の影響
Project/Area Number |
11750585
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Research Institution | Nagaoka University of Technology |
Principal Investigator |
小出 学 長岡技術科学大学, 工学部, 助手 (10272866)
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Keywords | ガラス / 粘度 / 緩和 / 拡散 / ガラス転移温度 |
Research Abstract |
これまで困難と考えられてきたガラス転移温度よりはるかに低い温度におけるガラスの微小な変形量を測定する方法としてファイバーベンディング法をを提案し、、その変形機構および粘度の解析を行ってきた。しかしながら、その変形および緩和挙動におよぼすガラス中の水分量の影響について依然不明瞭な点が多い。そこで、水分を含まない光学シリカガラスファイバーおよび水分を多く含む溶融法によって作製されたシリカガラスファイバーを用いてガラス転移温度以下で雰囲気の水分量を変化させて測定解析を行った。 ガラスファイバーは、直径125μmの光学および溶融シリカガラスファイバーを用いた。測定雰囲気として、大気中、乾燥窒素ガスを液体窒素に通してさらに脱水した乾燥窒素中および80℃の純水に100ml/minの空気を通気させることによって調整した湿潤雰囲気中と様々な条件を用いて行った。 水を含まない光学シリカファイバーを用いて乾燥および湿潤雰囲気において測定を行った結果、湿潤雰囲気において変形量が大きくなることが分かった。また、求められた応力と歪み速度の関係より粘度が算出され、その温度依存性より粘性の活性化エネルギーが求められる。その結果、水の拡散および熱振動による非架橋結合の増加がガラス転移温度以下における粘度に大きく影響することが分かった。測定を行った高温領域では熱振動による寄与が大きく、低温になるにつれて水分の拡散の影響が顕著になり、雰囲気の水分量が多くなるにつれて粘性の活性化エネルギーは、水の拡散の活性化エネルギーに近づくことが分かった。さらに、今後溶融シリカガラスファイバーを用いてガラス中の水分量と粘度の関係についてより詳しく解析する予定である。
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