2000 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
11750589
|
Research Institution | Nara Institute of Science and Technology |
Principal Investigator |
大槻 主税 奈良先端科学技術大学院大学, 物質創成科学研究科, 助教授 (00243048)
|
Keywords | 無機-有機ナノ複合体 / 生体活性 / 水酸アパタイト / 擬似体液 / in vitro実験 / ハイブリッド / 骨組織置換材料 / アルコキシシラン |
Research Abstract |
人工材料を生体組織に埋入すると,生体はこれを異物と認識して線維性被膜で覆い周囲の組織から隔離しようとする。ところがセラミックスの中には,体液と反応してその表面に骨類似のアパタイト層を形成することにより,線維性被膜の介在なしに短期間で生きている骨組織と結合するものがある。しかしそれら生体活性なセラミックスは,大腿骨などの大きな荷重の架かる部位や柔軟な組織を置換するには,十分な機械的特性を有していない。本研究では,無機-有機ナノ複合体を用いて生体活性と種々の力学的機能を併せ示す新規生体材料を設計する基礎的指針の確立を目指した。即ち医用高分子として用いられている親水性のポリマーを与える2-ヒドロキシエチルメタクリレート(HEMA,CH_2=C(CH_3)COO(CH_2)_2OH)と3-メタクリロキシプロピルトリメトキシシラン(MPS,CH_2=C(CH_3)COO(CH_2)_3Si(OCH_3)_3)を用いて無機-有機ナノ複合体を合成し,その微構造とアパタイト形成能の関係を調べ,無機-有機ナノ複合体の生体活性を制御する因子を検討した。試料の生体活性については,擬似体液による生体外(in vitro)実験により評価した。 HEMAとMPSのモノマーを出発原料に用いて種々の配合比で無機-有機ナノ複合体を合成し,バルク体が容易に得られる条件を探索した。溶媒をエタノールとし,重合開始剤に過酸化ベンゾイルを用いて75℃で3時間の保持により,ブレンドポリマーを得,次いでこれに塩化カルシウムのエタノール溶液を加えた後,室温で乾燥させた。その結果,MPSを10mol%以下で含有すれば,生体活性な無機-有機ナノ複合体のバルク体が得られることが明らかとなった。MPSは分子間の架橋と同時に,アパタイト核の形成サイトを与えると考えられた。
|
-
[Publications] C.Ohtsuki,T.Miyazaki and M.Tanihara: "Synthesis of Bioactive Organic-Inorganic Hybrid from Methacrylozyproplytrimethoxysilane and 2-Hydroxyethylemthacrylate"Bioceramics. 13巻. 39-42 (2001)
-
[Publications] Takeshi Yabuta,Kanji Tsuru,Satoshi Hayakawa,Chikara Ohtsuki and Akiyoshi Osaka: "Synthesis of Bioactive Organic-Inorganic Hybrid with γ-Methacryloxypropyl trimethoxysilane"J.Sol-Gel Science and Technology. 19巻. 745-748 (2000)
-
[Publications] 大槻主税: "新生骨の形成を支援する新材料の設計"マテリアルインテグレーション. 13巻・2号. 13-18 (2000)
-
[Publications] 大槻主税: "生体活性ガラスの新展開"化学工業. 51巻・11号. 832-837 (2000)
-
[Publications] 大槻主税,尾坂明義: "季刊化学総説No.42 無機有機ナノ複合物質(執筆担当 "バイオアクティブナノ複合材料",pp.94-97)"日本化学会編,学会出版センター. 196 (1999)